前回、リスペリドンのことを書いたけど、やっぱり半減期が長いのは、高齢者のせん妄や認知症のBPSDの治療には不利だ。
入院中の治療のことだけを考えたら、半減期が短いルーランのほうがいい。
せん妄や認知症のBPSDがある人の多くは、僕が働いている病院を退院した後、もともといた施設にもどったり、自宅にもどらずに長期に療養できる病院や施設に行ったり、とりあえずショートステイに行ったりする。
でもルーランを処方すると、転院先の病院や施設にルーランがなくて、「リスペリドンならあるんですけど変更できませんか?」と言われることがよくある。
だから退院後のことを考えるとルーランは使いづらい。
数か月前、リスペリドンだとどうしても過鎮静気味になってしまう患者さんがいて、ルーランに変えたことがある。でもその後、転院先を探すときに、リスペリドンに変更できないか?って転院先の人に言われて、難しいですって答えたら、転院受け入れを断られて残念だった。
ルーランっていい薬なんだけどマイナーだから困る。
転院先に、ロゼレムやベルソムラやデエビゴがなくて、「ゾルピデムしかないんですけど変更できますか?」と言われることもよくある。それもけっこう困る。せん妄がぶりかえしたら嫌だな。
ロゼレムはジェネリックが発売されたみたいだから、まずはロゼレムが転院先で使えるようになるといいな。
数日前のことだけど、「ゾルピデムだと眠れなくなるかもしれません。いまきちんと眠れてますし、できればこのままデエビゴを続けたほうがいいと思います。」と、ケースワーカーを通して、転院先の人に返事をしたことがある。いま受け入れ可否の連絡待ちをしている。転院できるといいんだけど。でもまた断られるのかな。