「夏のむくみ、秋に持ち越さないために」
~ 水分代謝と体のめぐりをサポートする食と生活 ~

 

【第1回】むくみとは? 腎臓と「湿邪」の関係を知る

 

 

はじめに

 

このコラムは「夏のむくみ、秋に持ち越さないために」をテーマに、全3回シリーズでお届けします。

 

 ・第1回:むくみと腎臓・湿邪の関係を知る

 ・第2回:胃腸を整え、巡りを生む |むくみをためない暮らし方

 ・第3回:むくみをリセット!中医学に学ぶ腎ケアと減塩レシピ

 

季節の変わり目に起こりやすい“むくみ”を、中医学と現代医学の両面から解説し、日常生活に取り入れやすい工夫をご紹介していきます。

 

 

 

 

 

   季節の変わり目に増える不調

 

夏の終わりから秋にかけては、体がだるい・足が重い・顔がむくむ、といった不調を感じる方が増えてきます。

中医学では、このような状態は「湿邪(しつじゃ)の影響」と考えられます。

 

 

はてなマーク湿邪とははてなマーク

    

湿邪とは、体に余分な水分や湿気が停滞し、不調を引き起こす原因のひとつです。


重だるさ、関節のこわばり、消化不良、そしてむくみなどが代表的な症状です。

 

特に日本の夏から秋にかけては湿度が高く、外からの湿気に加えて、冷たい飲み物や冷房によって内側にも湿がたまりやすくなります。そのため、体は「巡り」を失い、だるさやむくみが現れやすくなるのです。

 

この湿邪が長く続くと、腎臓や胃腸に負担をかけ、水分代謝の乱れや慢性的なむくみにつながります。むくみを単なる一時的な不調とせず、体からのサインとして受け止めることが大切です。

 

 

  現代医学から見た「むくみ」

 

現代医学の観点からも、むくみは軽視できません。慢性腎臓病は早期発見がとても重要であり、そのサインのひとつが「むくみ」です。

腎臓には、血液をろ過して老廃物を尿として排出する“デトックス機能”があります。腎機能が低下すると水分や老廃物を体外へ十分に排出できなくなり、その結果としてむくみが生じます。

 

 

   むくみのチェック方法

  • 脛骨(すねの骨)の横を親指で10秒ほど押してみて、跡が残るか確認する。
     → 跡が消えなければ、むくみがある可能性があります。
  • 普段と同じ食事量・活動量なのに体重が1~2kg増えている場合は、むくみによる体重増加の恐れがあります。

 

  一過性のむくみと慢性的なむくみ

一過性のむくみは、塩分やアルコールのとりすぎ、睡眠不足、運動不足、長時間の同じ姿勢などで起こります。生活習慣を整えることで改善しやすいのが特徴です。

一方、慢性的なむくみは腎臓・心臓・肝臓の機能低下が原因となることがあります。特に腎機能低下によるむくみは左右対称に出やすいのが特徴です。逆に左右非対称の場合は、血流障害(例:エコノミークラス症候群)が疑われるため注意が必要です。

 

 

  水分補給は大切

「むくむのが嫌だから」と水分を控えすぎるのは逆効果です。腎臓が効率的に老廃物を排泄するには、適度な水分が必要です。

ただし、水分の適量は腎機能の状態によって大きく異なります。

 

1)排泄障害がない方の場合
脱水は腎機能を低下させる大きな原因のひとつです。腎機能が弱まると尿を濃縮して排泄する働きも低下するため、基本的には以前より多めに水分を摂ることが一般的です。
目安は「尿量が1,500〜2,000ml程度になるような水分摂取」。ただし「水分をたくさん摂れば腎臓が回復する」という考え方は誤解であり、過剰摂取はガイドラインでも勧められていません。

 

2)排泄障害がある方(透析療法が必要な場合)
腎機能障害が進行して血液透析を行っている方は、水分制限が必要です。体にたまった余分な水分を透析で除去するため、摂取量自体を減らす必要があります。この場合の適切な水分量は、検査結果や体の状態をふまえて必ず主治医が判断します。

 

 

まとめ

 

むくみは「体が疲れているだけ」ではなく、腎臓や体の巡りの状態を映す大切なサインです。
湿邪の影響と現代医学の視点、どちらから見ても軽視せず、日々のチェックと正しい水分摂取を心がけることが、夏のむくみを秋に持ち越さないための第一歩となります。

 

 

 

 

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