またもや前々回、前回の続きです 笑
この症例のかたは、過去に他院で埋没法を受けられていますが、
もともとは一重です。
術前
一重まぶたは潜在性に眼瞼下垂であることが多く、挙筋腱膜の処理を行った方が
角膜(黒目)の露出が大きくなり、睫毛も上向くことで、いわゆる「目力」
が出ますので魅力的な大きな目になります。
術後1ヶ月
また、機能的には視野が拡大することにより、眉毛が下がります。
上方視の比較
術前
術後6日目(抜糸直後)
術後1ヶ月
切除組織
「挙筋腱膜はミュラー筋上を剥離+前転…全切開+α法(前多先生のブログ)」
とても理にかなった優れた方法です。
上まぶたは僅か3、4mm程度の厚さながら、表層から皮膚、眼輪筋、隔膜前脂肪、
眼窩隔膜、眼窩脂肪、挙筋腱膜、ミュラー筋、眼瞼結膜と、極めて繊細な膜状
の構造物が層々に重なり合ってできています。
一重まぶたの場合、これらの構造がぴっちりはりついて可動性が乏しく
互いにうまく滑り合わないのですね。
だからこそ、切開式重瞼術(二重全切開)の際、とくに解剖…もっと言えば
「膜」を意識して手術を行う必要があると感じます。
ミルクレープやミルフィーユをガサッと食べるのではなく、お上品に食す。
できる限り上品な手術を心がけたいものです。
僅か3、4mmの厚さの世界に、とても「奥深さ」を感じます、ハイσ^_^;
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