なぜ正解ではないの?(中学受験国語のテクニック2) | 成績110番

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子どもの成績を上げるための具体的方法を紹介しています。

昨日の問題で、

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 「おまえなんか、学校から出ていけ。」
 「何を!」

そういって、そう言われた健太は翔太の顔を
思いっきり殴った。

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という本文がありますよね。

 それに対して、

「健太はなぜ殴ったのかその心情を30字以内で示せ。」

という問題です。

 これの解答は、

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翔太から「おまえなんか、学校から出て行け」
と言われたから。
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だと正解にはなりません。

という話をしましたね。

実は、これは

「小学生」
「国語の成績の振るわない中学生」

が陥るところです。

 今回の問題は、わかりやすく、

「・・・その心情を・・・」

と書きましたが、実際の試験では、

「健太はなぜ殴ったのかその理由を30字以内で示せ。」

となっています。

 私立中学では、よく出る形式の問題です。

 実は、「心情を問う」問題でやっかいなのが、
ここのところです。

 こういった問題を生徒に指導していていると
次のような質問が出ます、それは、

「なぜ、お前なんか学校から出て行けでは
 ダメなんですか?」

とか、解答を言った後で

「そういわれたらわかるけど、
 そんなの思いつかない・・・・」

という話がきます。

 この解答を

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翔太から「おまえなんか、学校から出て行け」
と言われたから。
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とすると間違っている理由は、

「同じ出来事でも、人は同じ対応をするとは限らない」

からです。

例えば、今回の主人公の健太は、この言葉を聞いて
翔太を殴ってしまいましたが、人によっては、


「その言葉を無視する」
「軽く受け流す」
「落ち込む」

など、いろいろな行動を起こす場合が考えられます。

確かに今回の翔太の言葉が健太が殴った「引き金」には
なりましたが、それが直接の原因とはなりません。

【出来事】→【行動】

の間には、必ずそこにその人の【感情】があるから
そんな行動をとったのです。

 ここでは、

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翔太に言われたことに腹が立ってがまんできなくなった
から。
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という健太の「心情」の部分を書かないといけないのです。


 これを

 大手進学塾(中学受験で有名なところHです)の先生は、
こんな風に話をしてくれました。

 心情を問う問題では、次のようになっています。

本文には、大抵の場合は、

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【出来事】 → ( ) → 【行動】
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と、出来事があって、その出来事に対して、
何か行動を起こしたことが書かれています。

 しかし、そこには、主人公の心情は書かれて
いません。本当は、

-------------------------------------------
【出来事】 → 【心情】→ 【行動】
-------------------------------------------

と、それを補って考えて上げなければ、
ならないのです。

 今の問題の例でいうと、

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【出来事】

  「おまえなんか、学校から出ていけ。」
 と翔太に言われた。

【行動】

 翔太の顔を思いっきり殴った。
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と書かれています。しかし、ここには健太の
【心情】については、書かれていません。

これを【出来事】【行動】から推測して、
【心情】を入れて考えてみるのです。

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【出来事】

  「おまえなんか、学校から出ていけ。」
 と翔太に言われた。

【心情】

  かまんできないほど腹が立った。

【行動】

 翔太の顔を思いっきり殴った。
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という具合です。


 同じような問題は、実際の中学受験の入試問題では、
次のように解きます。

 【ステップ1】

 主人公が受けた【出来事】と【行動】から、
主人公の【心情】を書き出してみる。

 【ステップ2】
それを字数にあわせて、書いてみて字数が足らないときは、
出来事を書いてみる


という2つのステップです。

今の場合だと


 【ステップ1】

 健太はの心情は、

  腹が立っている
  怒っている
  
 推測できる行動を書き出す。

 
 【ステップ2】

  次にそれを解答用紙に書き、字数が不足の場合は、
 「翔太に学校から出て行けといわれて」などの出来事
  を書く

という風にします。

 実際に、こういった国語の解き方(手順)を知ると、
国語の問題を解くスピードがはやくなります。

 一度実践してみてくださいね。