昨日の問題で、
---------------------------------------------
「おまえなんか、学校から出ていけ。」
「何を!」
そういって、そう言われた健太は翔太の顔を
思いっきり殴った。
---------------------------------------------
という本文がありますよね。
それに対して、
「健太はなぜ殴ったのかその心情を30字以内で示せ。」
という問題です。
これの解答は、
------------------------------------------
翔太から「おまえなんか、学校から出て行け」
と言われたから。
------------------------------------------
だと正解にはなりません。
という話をしましたね。
実は、これは
「小学生」
「国語の成績の振るわない中学生」
が陥るところです。
今回の問題は、わかりやすく、
「・・・その心情を・・・」
と書きましたが、実際の試験では、
「健太はなぜ殴ったのかその理由を30字以内で示せ。」
となっています。
私立中学では、よく出る形式の問題です。
実は、「心情を問う」問題でやっかいなのが、
ここのところです。
こういった問題を生徒に指導していていると
次のような質問が出ます、それは、
「なぜ、お前なんか学校から出て行けでは
ダメなんですか?」
とか、解答を言った後で
「そういわれたらわかるけど、
そんなの思いつかない・・・・」
という話がきます。
この解答を
------------------------------------------
翔太から「おまえなんか、学校から出て行け」
と言われたから。
------------------------------------------
とすると間違っている理由は、
「同じ出来事でも、人は同じ対応をするとは限らない」
からです。
例えば、今回の主人公の健太は、この言葉を聞いて
翔太を殴ってしまいましたが、人によっては、
「その言葉を無視する」
「軽く受け流す」
「落ち込む」
など、いろいろな行動を起こす場合が考えられます。
確かに今回の翔太の言葉が健太が殴った「引き金」には
なりましたが、それが直接の原因とはなりません。
【出来事】→【行動】
の間には、必ずそこにその人の【感情】があるから
そんな行動をとったのです。
ここでは、
-----------------------------------------------
翔太に言われたことに腹が立ってがまんできなくなった
から。
-----------------------------------------------
という健太の「心情」の部分を書かないといけないのです。
これを
大手進学塾(中学受験で有名なところHです)の先生は、
こんな風に話をしてくれました。
心情を問う問題では、次のようになっています。
本文には、大抵の場合は、
-------------------------------------------
【出来事】 → ( ) → 【行動】
-------------------------------------------
と、出来事があって、その出来事に対して、
何か行動を起こしたことが書かれています。
しかし、そこには、主人公の心情は書かれて
いません。本当は、
-------------------------------------------
【出来事】 → 【心情】→ 【行動】
-------------------------------------------
と、それを補って考えて上げなければ、
ならないのです。
今の問題の例でいうと、
----------------------------------------------
【出来事】
「おまえなんか、学校から出ていけ。」
と翔太に言われた。
【行動】
翔太の顔を思いっきり殴った。
----------------------------------------------
と書かれています。しかし、ここには健太の
【心情】については、書かれていません。
これを【出来事】【行動】から推測して、
【心情】を入れて考えてみるのです。
----------------------------------------------
【出来事】
「おまえなんか、学校から出ていけ。」
と翔太に言われた。
【心情】
かまんできないほど腹が立った。
【行動】
翔太の顔を思いっきり殴った。
----------------------------------------------
という具合です。
同じような問題は、実際の中学受験の入試問題では、
次のように解きます。
【ステップ1】
主人公が受けた【出来事】と【行動】から、
主人公の【心情】を書き出してみる。
【ステップ2】
それを字数にあわせて、書いてみて字数が足らないときは、
出来事を書いてみる
という2つのステップです。
今の場合だと
【ステップ1】
健太はの心情は、
腹が立っている
怒っている
推測できる行動を書き出す。
【ステップ2】
次にそれを解答用紙に書き、字数が不足の場合は、
「翔太に学校から出て行けといわれて」などの出来事
を書く
という風にします。
実際に、こういった国語の解き方(手順)を知ると、
国語の問題を解くスピードがはやくなります。
一度実践してみてくださいね。