普通の授業では、国語の成績が上がらない理由。 | 成績110番

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子どもの成績を上げるための具体的方法を紹介しています。

昨日もお話しましたが、「T-1」に参加した先生の
共通項が

 「不透明な国語を透明にしよう」

というものでした。

 で、ある先生が、お話していたので、

「どんな方法なら成績が上がるのか?」

という話です。

 国語というは、やっかい科目で、
「英語」という科目があるのに、
「日本語」という科目になっていません。

それで科目名が

 「国語」なんですね。

それでなんですが、

「いろんなことがごちゃごちゃになっている」

んですね。

 例えば、「読書」。

「『読書』をすれば国語の成績が上がる」

という話をしますね。

「好きな本を読んでいれば、国語の成績が上がる」
「たくさんの本を読めば、国語の成績上がる」

なんて聞きます。

実際に私も多いときは、
1週間で10冊くらい読んでいたので、
そのときは成績がよかったのです。

「それじゃ、国語の授業は必要ないですよね(笑)」

と言われそうですが、

「じゃどういう授業だと国語の授業成績が上がる」

のかというと、そこをはっきりさせたいと思います。

本を読むという方法は、実はいくつかの方法があります。

1つ目は、「読書を楽しむ」という方法です。
「小説」を読んで、自分自身を主人公に重ね合わせる。

「なんて、悲しんだろう・・・」
「この人かわいそう・・・・」

そんな感じで読んでいきます。
通常、「読書」といわれるのがこの方法です。

2つ目は、「情報を得るために探す」という方法です。
ビジネス書を読むときによくしますが、
自分が探している問題の解答を得るためにやります。

全体をパーッと読んで、自分の得たいところだけを
読んでいきます。仕事でよく使うやり方です。

ビジネスマンが

「月に30冊読みます」

と言っている場合は「速読」かこの方法です。
必要なところしか読みませんから、
仕事をする上では効率がいいです。

インターネットで「情報」を探す場合と
同じですね。

そして、最後が

「内容をよく理解するために『観察・分析』する方法」
なのです。

実は最後の方法が、

「成績の上がる読書」で、授業ではこの方法に基づいて、
授業を組み立てないといけないのです。

よく学校の授業でやっていて、成績が上がらないのは、
こんな感じです。

 最初の「読書」のようです。

例えば、本文の中に

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 「おまえなんか、学校から出ていけ。」
 「何を!」

そういって、そう言われた健太は翔太の顔を
思いっきり殴った。

---------------------------------------------

という文があったとします。
このときに


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「あなたが、健太君だっらどんな気持ち?」
------------------------------------------

という質問の内容を先生がしたとします。

これは「鑑賞」です。というのは、

「人の気持ちは人それぞれ違うからです。

「おまえなんか、学校から出て行け!」

と言われてもすべての子どもが同じ気持ちになる
わけではありません。

 ある子は

 「悲しい気持ちになります。」

と言い、ある子は、

 「すごく腹かたちます。」

また、ある子は、

 「別に何とも思いません。」

となるかも知れません。それは、それでいいんです。
というのは、その人の経験によって感じ方が違うからです。

普段、あまり傷ついたことがない子だと「ショック」
を受けてしまうかも知れませんね。

 また、「攻撃的」な性格だと、「相手を攻撃する」こと
を考えるかもしれません。

 もっと、ひどいことを言われてきた子なら、
これくらい気にしないかも知れません。

それは、それでいいんです。
あくまで「自分がどう思ったか」だからです。

 こうしてしまうと、

「人は感じ方がそれぞれなのに、
 答えが1つなのはおかしい・・・」

となってしまいます。

ですが、これだと「国語の成績」は上がりません。
というのは、

「自分が経験して、同じ気持ちになったことでないと、
 理解できないから・・・」

です。そして、経験のない子に、

「こんな気持ちを感じなさい」

ということを強制することはできません。

ですが、これを成績を上げる授業に変えると、

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「あなたは、健太君はどんな気持ちだと
 思いますか?それはなぜですか?」
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となると、子どもは本文を読んで、
内容を「分析」して、判断しなければいけません。

「健太君は、怒っていたと思います。」
「それは、なぜですか?」

「本文に相手の顔を殴ったから・・・と書いてあるから。」

という答えが返ってきます。

 そうなんです。

「成績の上げる国語の授業は、

 『鑑賞』ではなく、『観察・分析』」

なんですね。しかも、

 「『答え』『ヒント』は本文の中に必ずある」

のです。それを探して解答していないといけないのです。
それはつまり、

 「筆者の主張を知るために、観察・分析する」

んですね。

 すると、答えは、みんな同じようになってきます。

「自分の感想は人それぞれでいいのですが、
 相手の言いたいことは同じように受け取る」

ようにするのが国語の授業なのです。

 いかがですか? さらに詳しく勉強したい方は、
こちらを参考にしてください。