藻谷浩介さんの復興へのメッセージ | ニュースな話題

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少し前のテレビになりますが、東日本大震災復興構想会議のメンバーになった、日本政策投資銀行の藻谷浩介参事役が、NHKで復興への熱い想いを述べておられました。


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(2011.4.13 NHKニュースウオッチ9より、ナレーション含めて『テープ起こし』しました。忠実に起こしたつもりですが、テニオハや聞き取り漏れなどありましたらご容赦下さい。( ´艸`))


(ナレーション)日本政策投資銀行の藻谷浩介さんです。地域経済の活性化をめざし全国ほぼすべての自治体に足を運んできました。その経験をまとめた「デフレの正体」。およそ50万部のベストセラーになりました。東北地方の地域経済にも精通する藻谷さん。復興構想会議の検討メンバーに選ばれました。何度も足を運んだ気仙沼や陸前高田などの港町。「必ず復興できる」といいます。


(藻谷さんの話)「壊れる前の陸前高田、気仙沼、釜石、宮古。すべて頭に焼き付いています。その場にいると、立ち直ることができるのかという壊れ方をしていると思うが、必ず立ち直ります。そもそもそこに水産資源がある理由は親潮が北から流れてくる、そこに豊かな北上高地のブナ林から大量の栄養が流れ込む、このことによって水産資源が成り立っておりまして、今回親潮とブナ林は全く傷ついていません。ですから、設備を復旧するのに何年もかかりますが設備投資をちゃんとやって回収できる豊かな水産資源があるので、これは復興しなければいけないし、必ずします。」


復興に向けてどういう街づくりを進めていくのか?藻谷さんは点在する集落がもともと過疎化・高齢化する地域であったことに注目しています。


「人口が減っていくにもかかわらず、同じ規模で同じように作り直すのはいらないんじゃないか。今までより人口が減っていくということはより安全、より便利なところにコンパクトに作り直していけばいいわけで、これはむしろ人口が増えている社会ではできないことなんですね。」


コンパクトな街づくりとはどういうものなのか?点在する集落。安全な場所に土地を確保し、集約化する形で新たな街づくりを行うというものです。医療や福祉といったサービスの向上にもつながると考えています。


「戦後やってきたことはすべて、人口が増えることを前提にやってきたわけですから…。借金をふやして後で誰かが返してくれるとかね。そういう考え方は「震災後」は通用しなくなってるんですね。後のことは後の人が考えるさと言えたのが戦後だとすると、後のことまで考えてよくよく考えて行動しなくてはならないのが「震災後」。」

「やっぱり、あの時の人たちがこれだけ努力したおかげで本当にありがたいなと、我々が明治維新や戦後再建した人に感謝しているように、後の時代の人から「震災後」の人たちは本当によく頑張ってくれたなあと言われるように、知ってる人は皆感謝するという時代にぜひしたい。」


藻谷さんは震災後、日本経済への影響を懸念しています。政府が今日まとめた月例経済報告。震災の影響で企業の生産や個人消費が落ち込んでいることから「景気は弱い動きになっている」として、景気判断を6か月ぶりに下方修正したのです。藻谷さんは阪神淡路大震災を引き合いに、消費などの経済活動を活性化することが大切だといいます。


「ぜひ、被災地以外の方は自粛をやめましょう。多くの事業者が大変お客さんが減って困っています。ホテルもお店も旅館も飲み屋も。阪神・淡路大震災のとき神戸がひどいことになったときに大阪の人はどうしたかというと、飲み食いを一生懸命やって俺たちが元気な大阪にして神戸を盛り上げるといってやっていました。で、神戸の人はどう言ってたかというと、大阪が元気だから助かる、心も支えになるし、向こうから金も来るだろうと、がんばって大阪と言っていました。同じです。被災地の人はほかの地域もっと元気出せと思っています。我々は自粛せずにお金を使って、その分税収を増やし被災地支援に向けるべきです。」


「まず、我々が風評被害に惑わされず、東北の産品を買うということです、くどいんですが。 乗り越えるのは東北の人ではなくて周りの関係ない我々が乗り越えるのを助けなければだめなんです。」


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一番印象に残ったのは、「必ず立ち直ります。」「必ずします。」のくだり。



ともすれば、「復興しなければならないと考えています。」で終わってしまいがちなところ、

断定的に、明快に、お話されています。



現地での豊富な経験がなければ、なかなかここまで言えません。

そうした思いが復興会議の取りまとめに結実されることを期待しています。