週末、花火大会に行ってきました。

 一緒に行ってくれた方が早めに広げておいてくれたシートの上で、かなり早くから打ち上げを待っていたのですが、会場の上を非情な雨雲が途切れることなく押し寄せて……夕方に掛けて土砂降りでした。靴下も服も、下着の仲間でびちゃびちゃ。寒くて凍えそうでした。

 そんな中、場内アナウンスが「19時20分から予定通り……」と流れると、広場の上にいた何十万人かが一斉にどよめきました。

 

「え、やるの? これで?」

 

 もし人の思念を視覚化できる装置があれば、緑の大地と黒い雨雲の間を、数えきれないほどの「?」というフキダシがふわふわ浮いていたと思います。浴衣の女の子たちは見ていて可哀想だったな。

 

 で、決行。

 

 雨の中の花火って、フィルターが掛かって見えるのか……。

 

 終わるが早いか、何十万人かがぞろぞろと民族大移動。この日ヨコシマな野望を抱いて女の子を誘った男子は、帰りにどこへも誘うことができず、敢え無く撃沈したことでしょう。当て込んでいた市内の飲食店も大打撃だったはず。

 僕たちもとにかく一目散に帰宅することになったのでした。

 

 当日、お尻に突っ込んでいた文庫本。厚みが倍になりました。

 

 これは現在の写真。丸一日過ぎてもまだ財布が濡れていて、いまだに乾かさないとお札が使えません。

 

 この日、空の神様はよほどリア充たちがお嫌いだったようで……。

 

◆ ◆ ◆

 

 雨にたたられた週末、いろんなことを考えていました。

 女性と別れることの辛さ、自由との引き換えの寂しさ、関係性の難しさ……。

 思考がぐるぐる回りすぎて、ちょっと病み気味になりそうでした。いったい自分は、本当はどうしたいんだろう。以前は胸に手を当てればすぐに出ていた答えが、最近は出てこなくなりました。自分の指向さえも失いつつあるという、ちょっとやばい状況にあるのかもしれません。

 

 陰鬱な部屋で考え事ばかりしているとダメですね。自家中毒でまいってしまいそうです。正直、今朝夜明けの太陽を迎えたときは救われた思いがしました。

 

 夏は続きます。