「アーバンフライヤー」という名称は、まさに言い得て妙だと思う。
94万人都市のビルの隙間を縫うように走り、千葉公園の巨大なハスの葉の上空を滑る電車は、まさに都会の宙を飛んでいる。
昨日営業運転が開始された新型車両は、それにふさわしく、「空」をイメージしてデザインされたそうだ。あちこちにのぼりも立っていて、千葉市民はかなり前から7月8日を楽しみにしていたのである。
当日、つまり昨日は、大々的な出発式が行われた。ミス千葉大さんが一日駅長を務め、千葉大の学生さん有志によるパフォーマンスもあったらしい。
らしい、というのはつまり、昼間ベッドでうだうだしていて、観に行くのが遅れたのである。なんたる怠慢。
やっと駅に着いたのはもう夕方で、当然ながらイベントはとっくに終わっていた。
ああ、しまったなぁと思いつつ、いつものようにセンシティ広場のベンチに腰掛けてぼんやりと空を見上げていたら、運行時間は終わっているはずの新型車両アーバンフライヤーが、目の前数メートルを通過して、めちゃくちゃびっくりした。
実物を見ると、たしかに格好いい。まるでSFの世界から抜け出たようである。
視界が広くとれるようにガラスを多く使っているのが特徴なんだとか。
運転席の床の一部もガラス張りで、そこから真下が見えるらしい。夜に走っているところを見上げたら、まさしく銀河鉄道のように見えるかもしれない。
ところがというかやはりというか、某ネットの掲示板では「車両の床全部をガラス張りにしろ!」というコメントがあったらしい。
あれですか、スカートを履いた若い女性に対して、街ぐるみで羞恥プレイをしろってやるですか。こら。
せっかくなので、モノレール駅の廊下に展示してあるパネルを覗いて、少しお勉強してきた。
千葉にモノレールを作ろうという声が上がったきっかけは、やはり慢性的な交通渋滞が原因であったそうな。なんでも当初の都市計画では、千葉市の人口は30万人くらいの予定だったそうで、それがあれよあれよと3倍になってしまった。地下鉄を通そうという話もあったらしいが、費用が三分の一で済み、中空の空間も生かせるということで、モノレールになったらしい。市民の反対は極端に少なく、3%弱だったそうな。
ところでモノレール計画はまだ終わりではなく、二期工事が控えているらしい。それによると、街の東側をぐるっと周回して戻ってくる路線と、新たに幕張まで伸ばす予定もあるそうだ。
知らなかったー。そうなるとかなり便利になるぞ。
この街の住人となって2か月。さすがにもう道に迷って、モノレール路線を見上げて自分の位置と目的地の目安をたてることは少なくなったが、街を歩いていてガラガラとあの音と共に頭上を電車が通るたび、これを通そうとした人たちは偉かったんだなと、ふと思う。単なる交通インフラだけではなく、意図的に名物を作ろうとして、それをしっかり街に馴染ませてしまったところがだ。
空を飛ぶ電車は、何度見ても楽しい。いつか親しくなった人に「うちの街においでよ。空中散歩は楽しいよ」と笑顔で言えればいいなと思う。




