いやはや、世界経済がやばくなってきましたね。

 日本も相当ヤバいですが、ユーロやアメリカはそれ以上にやばいらしくて、この状況をネットでは「日本が公園でぼっち飯を食べてる間に、学校が火事になってたようなもの」と書いてました。ブラックすぎて笑えないんですけど。


 で、昨日『日本と世界は同時に崩壊する!』(浅井隆・ラビバトラ著/あ・うん刊)という古い本を買いました。

 どれくらい古いかというと、巻頭にこの本が書かれた2006年の状況が書かれています。「長かったデフレもやっと終わり」「日経平均株価も16,000円以上」。……むちゃくちゃいい時代ですな。


 誤解なきように言っておきますと、僕は浅井隆さんの赤い表紙の一連の本は、いままで敢えて買わないようにしてきました。だって、どの本も巻末に「さぁ、これからこんな大変な時代が来る! もう自分の財産は自衛するしかない! ついては連絡先はこちらまで」と書いてあるんですもん。

 いや、別に悪いわけじゃないと思うんですよ。有益な情報を求めている人にそうした情報を提供するのはいけないことでもなんでもないし。ただ個人的にどうも、と思うだけで。


 それでも何故5年前に書かれたこの本を買ったかというと、共著のラビ・バトラさんの言葉を読みたかったからなのです。

 この人はソ連崩壊による共産主義の終焉を予想し、現在の資本主義の形も2010年には終わるだろうと予想していました。

 彼が提唱する、次の形の資本主義「プラウト」のことが知りたくて、今回買ったというわけです。

 さてさて、現在まさに崩壊に向かいつつある資本主義の、その先に来るものは何なのでしょう。


 「プラウト」とは「進歩的活用理論」の頭文字で、その概念を基盤にした新しい社会システムは「経済民主主義」と呼ばれます。

 現在の資本主義(この本によれば「略奪的資本主義」)の欠点は、富が一部の富裕者に集中していることなので、経済民主主義はそれを広く多くの人に再配分することを目的としています。

 具体的には、企業の株の過半数をその会社の社員が保有し、会社の利益が労働者に直接還元されるシステムを作ること。CEOも富裕層ではなく労働者の代表から選ばれます。

 こうして市場経済や自由主義の根幹は残したまま、労働者がモチベーションを維持しつつ高い給与を得られる社会の実現を目指す、というものです。


 うーむ。概念だけ聞くとえらく単純に思えるんだけど、はたしてうまくいくのかな。どこの国でも頭を悩ませている社会保障費の増大は、これで抑えられるの?貧富の差を最大で10倍程度に抑えるというけれど、富の公平な再配分の管理はきちんと成されるんでしょうかねぇ。

 ともあれ、この本で触れられていることはほんのさわりで、これからもっと勉強しなくちゃなりません。



 これから実際に世界恐慌が起きるか、日本がハイパー・インフレになるのか分かりませんけど、激動の時代になるのは間違いないでしょう。

 いままで慣れ親しんだものがバタバタと倒れていく中、次に来るのはもっといい時代だと思ってなきゃ、やってられませんわ。

 その希望のひとつ、いわばお守りとして、「経済民主主義」、覚えておきたいと思います。

 この先どうなるにせよ、いまの氾濫する暴れ川のような資本主義の次にくるものが、もう少し皆に優しい社会システムでありますように。