実刑判決ですか……。これが不当なのかどうか、僕には分かりませんが、記者会見の態度は堂々として、これから二年半もの間刑に服する前とは思えませんでしたね。「失礼ながら「大人になったなぁ」と思いました。もちろん彼のほうが僕などよりずっと人生の辛酸を舐めているでしょうが。


 ツイッターでフォローしているんですが、ときどき彼の信者といえそうな人たちの発言を目にします。一方、噛み付いている人も多くて、ここまではっきりと敵味方が分かれてる人も珍しいでしょうね。

 後世の歴史家が堀江氏のことをどう評価するか分かりませんが、きっと彼自身はそんなことどうでもいいんでしょう。


 僕自身は彼の信者でもなんでもありませんが、検察との攻防を書いた『徹底抗戦』や、最近では『拝金』を読みました。ライブドア時代の本もかなり読んでいます。

 それこそ先週、ふと思い立って『儲け方入門』を読み直したところだったんですが、いま読むと、ロバート・キヨサキさんと同じようなことを言っていることに気付きます。ビジネスの本質を簡潔に突いているんですね。

 その断定の仕方、「~というなら、~すればいいだけのこと」というものの言い方が反感を生み、一方で若年層を中心に熱狂的な信奉者を生んだのでしょう。この社会の曖昧さ、閉塞感といったものに嫌気がさしていた若者たちに。


 今度の件で、手のひらを返したように「ほらやっぱり」という人も出てくるでしょう。そんな人はさておき、「堀江氏はビジネスで失敗してもゼロに戻るだけだからチャレンジしろと言っていたが、下手したら牢屋に入ることになるのが分かったじゃないか」と思う人も出てくるでしょうね。

 これでまた、お金持ち=悪者という短絡的な図式が蔓延しなければいいのですが……。


 実は、僕がいちばん堀江氏のツイッターで気になっていたのが、彼の潔さでした。「昔裏切った連中に腹が立たないの?」という質問に「人を恨むと自分の心が汚れるよ」といった言葉を返していて、この人は強いなぁと思ったものでした。

 今回の会見でも、「僕にも悪いところがあった」云々の発言をしていますね。


 事件性にばかりスポットが当たっていますが、堀江氏の精神性についてきちんと語る人が、そろそろ出てきてもいいんじゃないかと思います。