昨日ツイッターにも書いたけど、服の話。


 カフェで原稿を書いてるとき、ふと気付いた。

(いまどきこんな格好してるの、自分くらいじゃないんだろうか……?)

 こんな格好というのは、ダブルのジャケットに襟なしシャツの第一ボタンを外し、トラウザースはウールの黒。かっちり前合わせしたジャケットが、いかにも時代遅れという感じである。


 そういえばこれはもう20年くらい着ている。

 当時会社に出入りしていた業者から買ったもので、寸法を測ってセミオーダーした記憶がある。破れたときしか服を捨てない僕がいままで持っていたということは、やはりモノは良かったのだろう。おかげで現在、思いきり浮くハメになってしまった。せめて定番の紺ブレ金ボタンにしとけばよかったか。

 

 昔はこんな感じで、肩パッドがっしり、シルエット緩めの服が主流だったんである。飲み屋の兄ちゃんかと思うようなダボッとした上下は「ソフトスーツ」と呼ばれ、それに派手なネクタイを合わせるのが主流だった。

 いまの若い子には信じられないかもしれないが、銀行などおカタい職場では「ソフトスーツ禁止」という

お達しが出ていたのである。

 僕は一応クリエイティブな職業(この言葉も死語ですね)だという自負があったから、ガンとしてスーツを着るのを拒否していたが、ピンクの上下とか、一着持ってても面白かったかもしれない。



 男たちはそんな遊び人風のファッションで、女性たちはワンレンボディコン(!)、日本中がイケイケの時代であった。

 いったい何のことか分からない若者は、邦画DVDの『バブルへGO!』を借りてくるか、You TubeでJR東海の「シンデレラ・エクスプレス」のCMを検索して観るように。いまはすっかり大女優となった深津絵里さんが、当時の定番だった真っ白な顔塗りで演技していて驚く。


 週末の夜は絶対にタクシーが掴まらなかった時代。あの頃の日本人は、本気でアメリカを丸ごと買い取れると思っていた。いまアラフォーの奥様がたは、女子大生だった当時は、食事代や車代に自分の財布を開いたことがなかったはずである。

 

 いまの日本を覆っている閉塞感は、あのバブル期に大きくプラスに振れた針が、ぐっとマイナスに振り戻したせいなのか。

 もう二度と、あんな狂乱の時代はやってこないだろう。それでいいのだと思う。あの浮つき度はちょっと異常だった。地に足をつけて生きることを覚えたいま、あのノリにはもうついていけないと思う。


 このジャケットも、いいかげん処分しようかな。あの時代を完全に記憶の中に封印するために。







#twnovel

 いや、役場で嫌な対応に遭ったとか、そんなんじゃないですからね。


私が悪いんじゃない。書類に不備がある貴方たちがいけないんでしょ。受領しないからって睨まないでよ。終業後ぐったりして役場を出ると、華やかに化粧を直した。5時を過ぎれば私は職員じゃなくて女の子。でもデートのとき彼が「別れよう」。私悪くない。私が悪いんじゃないのに。