旅行記6日目~突撃!隣のドイツ人~ | 星流の二番目のたな

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デジモンフロンティアおよびデジモンアドベンチャー02の二次創作(小説)中心に稼働します。たまに検証や物理的な制作もします。
続き物、二次創作の苦手な方はご注意くださいませ。

だいぶ間が空いてしまいましたが旅行記更新です。終わる前に一年経ってしまいそう……いや、小説優先なので仕方ないですけどね。

以前な予告していた通り、食べ物飲み物のお話です。


相変わらずの曇天の寒さの中、私達は電車で郊外に向かっていました。おばさんのお友達の家にお呼ばれしたのです。バスに乗り換え着いたところは手入れされた庭の並ぶ住宅地。その一角にお友達の家がありました。白い壁に絵や扇が飾られ、どこもきれいに掃除されていました。窓も曇り一つなく、モデルルームのごとし。毎日掃除されてるそうです。

着いた時はお昼時。美味しい昼御飯と共にこんな飲み物を出していただきました。




花の蜜



何だと思います?


お花の蜜なんです。蜂蜜でもなく、花の蜜そのまま。

「お水で薄めて飲むのよ」とお友達がグラスに注いでくださいます。水で薄めると聞いてカルピスを思い出してしまう私。自分の庶民感覚にこっそりがく然としました。「カルピスをいただく」と「花の蜜をいただく」ではロマンの度合いが違うというか、気品の漂い方が違うというか……。星流はカルピス大好きなんですけどね、何か格の違うものを見てしまった感が。

ジュースのように飲みやすく、爽やかで後味の残らない、本当に品のある飲み物でした。本当は小説にも取り込みたいくらいなのですが、うちの小説にこんな上品な飲み物似合うやついねえ(泣)




昼をいただいた後は、お手製のケーキもいただきました。


パイ



おなかいっぱいでも、おいしいと入っちゃうのが恐ろしいです(汗)出していただいたものを残すわけにはいかない、という義務感もあります。あれ、こんなこと前の旅行記にも書いた気が……。


食後は腹ごなしにお家の猫と(陽菜が)たわむれていました。私は三歩後ろで笑顔で眺める係。

だって星流は皮膚アレルギーなんですもん。毛のもしゃもしゃした生き物苦手です。触ると手のひらにぞわあって感覚が広がるのです。発疹までは出ないんですけどね。許せるのはジャンガリアンハムスターまで!(キリッ
そうしていると「一緒に遊ばないの?」とお友達に聞かれました。(もちろん英語で)

「皮膚アレルギーなんです」と言いたくても英語でどう言えばいいの!? アレルギーって英語でもアレルギーでOK? 皮膚は? 皮膚って英語でなんて言うんだ!? 肌? スキン? スキンアレルギー?

迷ってテンパった末、「私はいいです、アハハ」っていう微妙な返しになってしまいました。これが、日本人に足りないと言われる実践的英会話か……!


そんな言語の難しさを感じながらも、優雅にゆったりと過ぎたお家でのひと時。

しばらくしておばさんが「お友達がドライブに連れていってくれるって」と教えてくれました。私と陽菜は「どこにつれていってくれるのかなー?」なんて話しながらいそいそと上着を着込みます。お友達の運転する乗用車の後部座席に、二人でわくわくしながら乗り込むのでした。


それが恐怖の幕開けだとも知らずに。






さて、みなさま。「アウトバーン」というものをご存知でしょうか。

これはドイツの高速道路を指す言葉です。料金所はなく、無料で利用できる高速道路なのです。

でも。

一番大事なのは。

そこじゃない。

一番怖いのは。

この高速道路には。

速度制限がないってことだ。



「ここからアウトバーンに乗るよ」

という助手席のおばさんからの言葉。上記の予備知識を持っていた私は、いやーな予感に心臓がぴくぴくしました。

一方何も知らない陽菜は、

「姉ちゃんどうしたの? 顔固まってるよ?」

と。

私は小声で答えます。

「いや、アウトバーンって確か速度制限ないらしいから。まあ、(上品な)お友達の運転だし大丈夫だとは思うけど」

「ふーん」

陽菜はなーんだという顔。私と違って絶叫マシンもいけるタチなのでけろっとしています。


それもお友達がアクセル踏み込むまででしたが。


私は全身固まったまま動けなくなりました。加速でかかる重力のせいか、はたまた瞬く間に過ぎていく周りの景色のせいか。たまに対向車が通っていきますが、F-1みたいな音ですれ違っていきます。日本の高速が「ビュン」ならアウトバーンは「ピュンッ」みたいな。音が高い。私の知ってるすれ違う音より高い。130kmくらいは出てるんじゃないか……?

首だけ動かし横を見ると、陽菜も同じように凍り付いています。

絶叫マシンは怖くても安全が確保されてるからいいのです。この車がうっかりクラッシュしたらどうなるか……最悪の想像が脳内を駆け巡ります。

そんな中でもお友達とおばさんは楽しそうに前でおしゃべりしています。推定130km超の車の中で。50km制限の街中走ってるような雰囲気で。

おばさんがひょいと私達を振り返り、

「あら、二人とも固まってるじゃない(笑)」

その言葉にお友達もひょいと振り返り、

「あらあら、大丈夫?(笑)」


(運転手さん前見て、前ーーっ!!)←星流の心の叫び



80km制限の日本の高速はつくづく優しいな、と思った瞬間でした。





次回は私がドイツ人とサシで話す羽目になった、日本語と日本語教育の奥深さについて書くつもりです。