父が入院してから、また退院してくれると信じてた。

けれど。


容態は悪化の一途をたどり。


既に意識は朦朧としているらしい。
昏睡状態のように。




らしい、というのは。

私が、そんな父の姿を見るのが怖くてお見舞いに行けないでいるから。


弱虫な私。

父は待っていてくれているかもしれなかったのに。

ずっとずっと待っていてくれたかもしれなかったのに。


会いに行かないで。


自分の弱さに負けて。

自分の病気を理由に避けていた。



「居酒屋に最後に一度だけ行きたかったな」
「あそこのピザ、また食べたかったな」
「あそこのハンバーガーとポテト食べたかったな」


食べ物のことばかりだけれど。

なんで叶えてあげなかったんだろう。
なんで買ってきてあげなかったんだろう。


今更思っても。
もう遅い。


いなくならないで。
嫌だ。

いなくならないで。




今から会いに行くから。


笑顔を見せてよ。

ねぇ、お父さん。