この記事は、3人のために、書きました。
①身体をゆるめようとして、頑張っている人。
②緊張してしまって実力を出せない人。
③ムダな力を抜こうとすればするほど、力んでしまう人。
身体をゆるめたいのだけれど、ゆるまらない。
力を抜こうとしているのだけど、抜こうとすればするほど、緊張する。
そういうときは、身体への感謝不足だと心得て下さい。
緊張をゆるめようとするのではなく、感謝するのです。
すると、ブワッと、道は開けます。血管も開けます。笑
なかなか緊張がヌケないとき、脱力しようとすればするほどどうしても力が入ってしまうときは、無意識の中で「緊張」を“悪”だと捉え、それをヤっつけようとしてしまっているものです。
「緊張」は、悪者ではありません。
いま、あなたの身体を守るために、「緊張」してくれているのです。
「緊張」というカタチをとって、あなたの身体を守ってくれているのです。
そんな身体と緊張に感謝できたとき、身体はゆるまるものです。
「自分は今、緊張している。緊張してはいけない。」
心のどっかで、そう思っているのです。
そう思えば思うほど、緊張が強まります。
「そうか。いま、‟緊張”というカタチをとって、脳が自分の身体を守ろうとしてくれているんだ。」
そう氣づいたときから、状況はガラリと変わります。
「緊張している」ということは、相当、ガンバっているということです。
ですから、その緊張しているあなたがダメなんではなくて、「めっちゃガンバってるやんっ!ワタシ!うんっ」って、自分を労ってあげて下さい。
すると、緊張することが、心地よくなってきます。
ゆるんだ身体、ムダな力の抜けた脱力した身体とは、「緊張」や「力み」が一切ない状態ではありません。
緊張することにさえも、心地よさを感じられる身体。
それが、ゆるんだ身体というものです。
プロ野球の読売巨人軍の原辰徳監督は、試合中、緊張している選手に対して、「もっとリラックスしろ」と言わずに、「もっと力め!」とアドバイスすることで、良い結果を出しています。
選手も、緊張しているコトはわかっているし、リラックスすることが大事だと知っています。
そのときに、「リラックスしろ」と言われると、余計に今の自分の状況が良くないんだと、緊張してしまいます。
そんなときに、「もっと力め!」と言われたら、「えっ!?」となりますね。
今、緊張して力んでいる状態が、ダメなことではないんだ!と悟ります。
「もっと力んでいいんだ。」と‟力むことをゆるせる”と、身も心もゆるむのです。
「メンタルトレーニング」というものが登場し、スポーツ界にも導入されるようになってから、どうも「緊張=悪」「リラックス=良」と思われている傾向があります。
緊張もリラックスも身体の反応で、身体の反応に、良いも悪いもありません。
ただ、緊張している自分を見つめ、認め、ゆるせばいいのです。
これを、「体認」と言いますが、緊張を緩めよう!という発想‟だけ”では、身も心も深くリラックスすることはできません。
緊張しているコトがダメなんではなくて、緊張している自分がダメだと思っているコトが、ダメなんです。
緊張している自分をゆるしてあげて下さい。
力む自分を、ゆるしてあげて下さい。
ムダな力がヌケて、ヌケて、ヌケ切った境地は、「緊張」とは無縁の状態ではなく、緊張を完全に受け入れている境地です。
緊張を抜こう、身体をゆるめようとしている人ほど、逆に緊張している人も多いのです。
人間ですから、ちょっとぐらい角があったほうがいいんです。
「丸くとも 一角あれや 人心 あまりに丸きは 転びやすきに」
一休さんの言葉です。
角って、個性ですからね。
あんまり円くなろう円くなろうとすることじたいが力みだし、そういうのを「角」っていうんですね。笑
円くなろうと力むこと自体が、角なんです。
で、角はあってイイんですね、人間ですから。
「丸いものにもっと丸になれ」というのは、不自然です。自然界に、完全に丸いものなどありません。
一休さんのように本当に円い人は、角がある自分を認め、角がある自分で勝負できる人のことを言うんだと思います。
角があるから、おもしろいんですね。
世界中、みんな円くてだ~れも角がなくなったら、おもしろくないでしょう?笑
角があったってOK!力んでたってOK!緊張?OK!
コレ以上自分を責めないで下さい。
そして、緊張をゆるめようと、自分を攻めすぎないで下さい。
誤解のないように言っておきますが、能動的に緊張をゆるめようとすることは、良いことであり、必要なことです。
いつもいつも「もっと力め!」って言ったってダメなんです。
それ‟だけ”では、不十分ですよ、ということです。
受動的に緊張がゆるまる道も、大切なんですね。
両方、大切なんです。
自分の中には、緊張をゆるめようとする自分と、ゆるまろうとする自分がいます。
ゆるめようとする自分がゆるんでいないと、本質的にはゆるまないのです。そして、ゆるめられようとする自分がゆるむことをゆるせないと、本質的にはゆるまないんです。
なんか、「哲学」みたいになってきましたね。笑
とにかく、一生懸命ゆるめようとして、一生懸命力んでいるあなたは、力んだってOKですから、力む自分をゆるし、緊張する自分をゆるし、楽しんじゃってください。
そして、緊張をヤっつけるのではなく、緊張という反応に、「感謝」して下さい。
立甲 健一郎