おはようございます!

3連休初日ですが、あいにくの雨ですね。

 

では相続で気になるこの話し

 

詐害行為取消権

 

お金に困っている知人に、どうしてもと頼まれてお金を貸したところ、返済日になっても返してもらえないどころか、知人は持っていたなけなしのお金を他人にただであげてしまいました。

お金を貸している人は、こんなことを黙って見過ごすわけにはいかないでしょう。

そこで一定の条件のもとに、借りた人がやった不当に財産を減らす行為を、お金を貸している人が取り消す権利があります。専門用語では詐害行為取消権といいます。

 

相続放棄と詐害行為取消権

 

先ほどは、他人へお金を贈与する行為を取り消す例でしたが、相続放棄を取り消すことはできるのでしょうか。

友人Aがお金に困っていたので貸していたところ、そのAのお父さんが亡くなってしまいました。Aはお金に恵まれていませんが、そのお父さんは資産家でした。相続人であるAにもいくらかまとまったお金が入り、結構な額に積みあがっていた貸金も返済してもらえるのかなぁと考えていたところ、Aが相続放棄したことを知りました。

この場合には詐害行為として取り消すことはできません。

相続放棄はもともとその人の財産でないものを受けとらないだけであり、贈与といった積極的にプラスの財産をゼロにすることとは異なります。また、相続を放棄や承認する行為はお金の問題だけでなく身分行為なのでその人自身が決めることで、他人が取り消すようなことではないという理由が挙げられますが、いずれにせよ貸主にはかわいそうな結論となります。

 

かわいそうな結論にならないように事前の対策も必要ですね!

 

司法書士 いぶき合同事務所

西嶋 健一郎