kogumaのブログ

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わたしには兄がいる。

小さい頃、いつもくっついて遊んでたから

兄の友だち数人と遊ぶ時は身体の小さくて

動きのとろいわたしは「おまめ」。

地域や時代によって呼び名は違うかもしれない

けど、要は優遇される存在だということ。

鬼ごっこやかくれんぼでも捕まっても、なしに

してくれるとか、バットに当たるまで打席に

立っていいよ、とか、そんな何かにつけて

こいつはしょうがないから大目に見みようぜ、

っていうルール。



ある職場の狭い人間関係での話。

体調不良を理由に残業を免れ、面倒臭い

仕事は回されず、職場ではマドンナ扱いで、

上司から守ってもらっている。

そんな女性社員がいる。

当然、そのしわ寄せは他の誰かに飛び火する

わけで面白く思わない社員も出てくる。

「なんであの人ばっかり許されるの?」

「わたしだってちょっとの頭痛くらい我慢して

残業だってしてるのに」

「やってられない、ムカムカする」

なんて具合に。

そんなひと同士が屈託して、ちょっとあの人に

イジワルしてやろう、なんて相談してる。




職場でも教室でもサークルや何かのコミュニティ

でも、少人数だろうが大人数だろうが

その人間関係の複雑さは無数に存在するのだろう。

そう思ってるのは、自分だけじゃない、

そう考えるのは普通の感覚なんだ、って

ちょっと安心してる自分もいる。同志を

得たような。自分がそう思ってるのと同じように

実は周りからは自分は「おまめ」と思われて

いるのかも、と思うとゾッとする。




軽いエッセイのようなタイトルと表紙の

デザイン。…からは想像出来ないような

毒づいたストーリー。

この話の中に食べるシーンが多く出てくる。

よくもまぁ、こんなにも美味しく無さそうな

表現を作り出せるモノだ、とちょっと感心

してしまった。



高瀬隼子、芥川賞受賞作。