フォーブスの世界の富豪ランキング39位

ジョヴァンニ・フェレロ氏は
イタリアの世界的ブランド「フェレロ・ロシェ」チョコレート
の会長です。

このチョコレート、名前だけ聞いてもピンとこないですが、
海外旅行のお土産でよく見かける
金色の紙で包まれた一口サイズのナッツ入りチョコレートです。



 

今年4月に米国ケロッグの菓子事業を13億ドルで買収しています。

そんな、いま勢いのある企業ですが
その創業者、現会長の祖父が大切にしていたのは「従業員」だったのです。
それがわかるのは創業者が管理職社員たちに宛てた文書にある17カ条。

現在までの躍進は、ここにヒントがあるかも知れません。

これを取り上げている記事がありました。


「あのチョコレートブランドを世界的にしたのは『社員をねぎらい育てる17カ条』」
https://forbesjapan.com/articles/detail/28171


少し長くなりますが、17カ条すべて記事から引用します。


「従業員との関係において信条とすべき規則」

1. 従業員と会話するとき、相手に居心地のよさを提供すること。
具体的には、
・相手には、小刻みでわずかな時間ではなく、必要なだけ時間を与えること。
・相手が言わんとすることにしっかり耳を傾けること。
・相手に自分の不安を感じさせないこと。
・相手に自身を「たいしたことのない存在」だと感じさせないこと。
・職場で一番快適なイスは、相手に差し出すこと。

2. 決断は明確に、その際従業員たちに協力を求めること。これによって、従業員も自ら知恵を出した選択を信じることができる。

3. 何かを変更する際は、事前に、従業員も参加させ関係者同士で話し合いを持つこと。

4. 前向きな評価は従業員に伝えること。後ろ向きな評価は必要なときのみ伝え、この場合は、批判だけにとどまらず、次に生かしてもらうため、どうすべきかまで伝える。

5. 部下に手を差し伸べるときは、常にタイミングを見計らうこと。「遅すぎ」は「早すぎ」と同様に危険である。

6. 実際の行動より、原因、動機についてよく考えること。

7. 従業員の細かいところは気にせず、個人を総合的に判断すること。従業員に対してある程度寛容にふるまうこと。

8. つねに、人間的であること。

9. 不可能なことは要求しないこと。

10. 自分のミスは冷静に認めること。これが、ミスの繰り返しを防ぐ。

11. 従業員たちが自分(上司)のことをどう見なしているか気にすること。

12. 自分は部下たちにすべてを捧げているとうぬぼれないこと。これでは、結果的に何も生み出されない。

13. ごまをする人間は信用しないこと。いずれ、反論する人間よりも非生産的な結果をもたらす。

14. つねに必要なだけ尽力しなければならないが、多くの場合、「どれくらい」ではなく「いつ」「どんな手段で」のほうが肝心だと心に留めておくこと。

15. 怒りや急かされる環境、落胆、不安による影響の下で決断を下さず、最も冷静な判断ができる精神状態に決断を委ねること。

16. 優秀な上司は平凡な部下に自分を非凡と感じさせることもできるが、へたな上司は非凡な部下を無能にも変えられることを覚えておくこと。

17. これらの信条に従うことができなければ、上司でいることをあきらめること。


以上です。


この17カ条から、

部下は下に見るのではなく同じチームの一員で、そのチームとしての力を最大限に発揮させるのが上司の役目である、という印象を受けます。

ただこの17カ条、
部下に対してだけに成り立つものでもない気がします。
コミュニケーションの場では、誰にでもあてはまるのではないかと。

とにかく、
こういった基本的で大切な部分が軽視されている場面が多いような気がしてなりません。

17カ条全部を意識するのは大変ですが、一つでも気になることを意識していきたいところです。