七人の侍
昨夜、仕事が終わり帰宅したのが8時頃。
この後ケーブルテレビで黒澤明監督の「七人の侍」が始まる事を知った。
おっ、そりゃ観るでしょう!!
その日の夜の予定はすべてひっくり返ってしまった。
世界の映画史に金字塔を打ち立てた、
この名作の事を今更語るまでもないですね。
ジョン・スタージェス監督の「荒野の七人」が
この映画にヒントを得て作られた事や、
セルジオ・レオーネ監督のあの名作「荒野の用心棒」が
「七人の侍」の7年後に制作された「用心棒」にインスパイアされて
制作された事は、誰もが知っているあまりに有名なエピソード。
中学の頃は、完全にC・イーストウッドの哀愁漂う勇姿にあこがれ
「さすらいのガンマン」魂にのめり込んでいた。w
その僕のルーツの「ガンマン」のルーツは
すべて黒澤明の「侍」だった事を大人になってから知った。
子供の頃から何度となく観ている黒澤映画。
何十回、何百回観てもイイものはイイ。
年末になると必ずテレビやっていたJ・スタージェス監督の「大脱走」や、
F・フェリーニ監督の「道」、V・デ・シーカ監督の「ひまわり」とかね。
何回観た事でしょう?
かつてある番組で映画評論家の淀川長治さんが、
どうやったら映画監督になれるのですか?
という質問にこう答えていた。
「一つの作品を100回以上観れば、映画監督になれますよ。」と。
この一言が、若かりし日の僕の映画好きに拍車をかけた。
別に映画監督になろうなんてバカな事は考えていないけど、
とにかく好きな事は知りたい、そして理解したい。
結局、音楽だって同じ事だもんね。
だから好きな映画を何十回と今も見続けているのかな。
「七人の侍」は、ハリウッド映画的な、
勝利を勝ち取った主人公達のヒーロー映画ではない。
勝利の代償、残酷さ、影で死んでいく者たちのむなしさや、
人間の善と悪、正義という深いテーマが作品の根底に流れている。
スカッ!とするアメリカ映画と違ってずっしりと重さが残る。
これが世界中の映画人のバイブルになった
「映画史に残る名作」である所以であろうか。
3時間半の作品もあっという間に終わり、時計を見るともう12時半。
大仕事を終えた時?の達成感の様な至福の時。
一杯やりたくなり、コンビニにビールを買いに。
今観た作品の事をあれこれ考えていたら映画魂に火がついてしまい(笑)、
寝る前に何かもう一本映画が観たくなってしまった。
これが、寝不足の元であり(笑)、重要なインプットでもあるんだけど・・・
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの史上初の共演で話題になった、
マイケル・マン監督の「ヒート/Heat」の
あのすごい銃撃戦のシーンが観たくなってしまった。
(白昼の市街地であの息をのむ緊迫のシーンの連続とスケール感。)
監督を始め、スタッフ、役者達の実際の撮影現場が、
どれだけすさまじい現場だったかを想像するだけで鳥肌がたってくる。
興奮して、ビールからジン、そしてスコッチへ。
で、結局また最後まで観てしまった。(笑)
ん~、映画はイイ。
社会を構成しているおおよそ全ての分野の産業の縮図、総合芸術だもんね。
経済、文学、美術、演技、建築、歴史、ファッション、音楽・・・
淀川長治の言葉じゃないけど、その集大成である一つの作品の深みを味わうには、
繰り返し繰り返し観ないと味わえないものなのかもしれない。
ましてや、歴史に残る大作、名作と呼ばれるものは!
映画の話はキリがないから、続きはまたにして・・・