この彫刻の作品名は「パンセ(もの想い)」。
モデルとなった美しい女性の名は、カミーユ・クローデル。
彫ったのは、時の大芸術家オーギュスト・ロダン。
これもロダンが彫った、もうひとつのカミーユの彫像。
ロダンの作るカミーユ像はいつも、なぜか石の中に埋もれていたり、手で押さえつけられていたり・・・。それはあたかも、大切すぎる女性 ―自分より24才も年下で、溢れる才能と若さで己を魅了する女― を、自分の掌中に入れておきたかった男の愛情とエゴを象徴するかのよう。
そして、これはカミーユの作品。
タイトルは「シャクンタラー」。
自分自身と、愛する男ロダンとの蜜月を投影したとしか思えない、切ない程に美しい彫刻。
カミーユの最高傑作と名高いこの「ワルツ」もしかり。
初めて愛を教えてくれたロダンという男は、女としてアーティストとして、カミーユの全てだった。
彼女はロダンと愛し合いながら、膨大な数の作品を彫った。にも関わらず、彼女の作品として世に出た物はほんの数点。なぜならば彼女は社会的に認められぬ「女」であり、あくまでロダンの「アシスタント」であり、彼女の彫った手や足(どれも天才的な仕上がりだった)は、「オーギュスト・ロダンの作品」の一部として発表されていたから。
これは、カミーユがロダンと決別した後に作った「分別盛り(ふんべつざかり)」という作品。
ロダンには長年連れ添ったローズという内妻が居て、カミーユは結局、最後までロダンを自分のものにすることはできなかった。ローズ(をイメージした老女)に連れ去られる、ロダン(をイメージした老人)。そして足元にひざまづくのは若く悲しげな「嘆願する女」。自虐的で、攻撃的で、物悲しい、自叙伝のような彫刻。
これも、ロダンと別れた後にカミーユが作った彫刻。
まるで、「ワルツ」という作品で彼の腕の中にいたはずの自分を表しているかのような、今は一人になってしまった自分の姿を映し出したかのような、孤独な女のシルエット。
カミーユはロダンを愛していた。狂おしい程に。
誰よりも愛し、ゆえに誰よりも憎く、最後まで、魂は彼を欲していた。
ミュージカルでは、カミーユがロダンと出会った18才頃から、まだまだ女盛りの年齢で世間から隔離されてしまうまでの20数年間を描いています。惹かれ合い、すれ違い、最後までもがきながらも必死に人生を駆け抜けた男と女の話。きっと、シアタークリエという空間にピッタリな作品になるのではないかと思っています。
いよいよ明日からは舞台稽古。
ゆっくりブログを書く時間はしばらく取れないだろうと思い、カミーユとロダンの彫刻作品入門編として、この記事を書いてみました。
ちなみにちなみに、稽古開始前に私もちょっとだけ彫刻を体験しに行ってきたんですー(東京は意外にアートフレンドリーではなく、体験できる場所を探すのにはかーなーりー苦労しました*_*)。
こんな感じで自分の顔をデッサンしたあと、粘土から顔を作って行ったんですが・・・ いやはや!難しかった!!
私、絵を描くのが好きだからちょっとはイケるかなぁなんて思ってたんですけど、彫刻は3Dなので、骨格などの知識がよほどしっかりしていないときちんと「人間の顔」にならないんですねー。誰に教わるでもなく、少女の頃から石の中に表現を見出し彫っていたカミーユって、本当に天才だったんだなぁと実感しました。
はい、私の社会科見学の話はあまり膨らまないのでこのへんで(笑)
ではでは、この先一ヵ月間、わたくし個人はほぼ気配を消します・・・。
シアタークリエでお目にかかりましょう!!
↓先日の稽古場取材の模様が、朝日新聞WEBにアップされております↓
http://www.asahi.com/showbiz/stage/spotlight/OSK201111300028.html
(PCのみ)
↓「シアターガイド」にも石丸幹二さんとの対談インタビュー掲載中!↓
http://www.theaterguide.co.jp/newbook/backnumber/2012/01/#c04
ミュージカル「GOLD~カミーユとロダン~
」カミーユ役
2011年12月8日~28日 東京・日比谷シアタークリエにて上演!
チケット好評発売中⇒http://www.tohostage.com/gold/kuuseki.html