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そういえば、今日で初日からちょうど1週間でした!


というわけでファンティーヌの写真どーん!


このチョーカーを身に着けると、「あぁファンティーヌだー」って気分になります




幕開けまでは何かと慌ただしかった今回の「レ・ミゼラブル」ですが
ステージ上では初日からとても落ち着いて、集中して挑めています。
「レ・ミゼ」の空気に包まれる安堵感という点においては、作品と過ごした7年間が私を助けてくれているのかなぁなんて思ったりもします。もちろんファンティーヌ役を演じるのは今回が初めてなので、今までとは違った緊張感はあるんですけどね




私が初めて「レ・ミゼラブル」を観たのは、確か2002年。
オーディションを受けることが決まって、ワールドツアー中だったオーストラリア版(英語ver.)を韓国まで観に行ったんですよー。




ミュージカル超初心者・・・というか、舞台を観劇することすらほぼ初めてだった私は、あの空間に馴染むのに少し時間がかかって、スピーディーな展開に若干ポカンとしつつも、「ワン・デイ・モア」の迫力がいつまでも脳裏に焼き付いて離れなかった記憶があります。音楽のチカラ・・・そんなものを強く強く感じました。




あの頃の気持ちと、7年以上表から裏から「レ・ミゼラブル」を見てきた今の想い。どちらも大切にしながら、今、毎日舞台に上がっています。





ここらでちょっとファンティーヌについて語ります(長いです
作品や役に関する解釈は人それぞれで、どれが正解だとかいうのは絶対に無くて、これはあくまで私の中にあるひとつの“想い”に過ぎませんから、どうぞ聞き流してくださいね





短い時間でまさに転がるように堕ちて行くファンティーヌの人生。





今回改めて原作を読みなおしたりしてみて、大切にしたいなぁと感じたのが、若くして母親になった彼女のあどけなさと、不幸の連続に立ち向かう生命力の強さ。




そういえば「ユゴーの豪語ー」が連載第一回で止まってしまってましたが(笑)、私が今回ズドーンと衝撃を受けた文章をここで紹介しますね。以下、岩波文庫「レ・ミゼラブル」第一巻322ページより引用↓




“ファンティーヌの心のうちにはある暗い変化が起こっていた。もはや髪を束ねることもできないのを知った時に、周囲のすべてを憎みはじめた。彼女は長い間皆の人とともにマドレーヌさん(*バルジャン)を尊敬していた。けれども、自分を追い払ったのは彼であり、自分の不幸の原因は彼であると、幾度もくり返し考えてるうちに、彼をまた、そして特に彼を、憎むようになった”





私ね、ここを読んだ時に、この原作の奥深さというか人間の奥底を描き出す鋭さというか、なんか単純に、「人間の真実だな」って思ったんですよ。貧困が悲劇を生むのは世の常ですが、本当に「miserable」なのは、その環境の中で心に憎しみや怒りが生まれてしまうこと。そしてそれは時に、負のエネルギーとして人を動かすこともあるのだろうということ。





だから、ファンティーヌという人が辿るあまりにむごい(原作ではミュージカルよりもっと悲惨な)生涯には、可哀相とか弱者の代表とかそういうことだけではなくて、人の「miserable」の本質が詰まっているんだなって。そもそも風に吹き飛んでしまうような人なら、どん底まで堕ちる前に別の結末を迎えているはず。彼女の持つ重力とも言える激しさが、ファンティーヌという女を形作っている。そんな気持ちで役に向き合っています。(終わらないのでこのへんでやめておきますが、原作348ページ~ バルジャンの真意に気付いて凍てついていたファンティーヌの心が溶けていく件の描写も素晴らしいんですよぉぅぅぅ←興奮)





展開が早いミュージカルの中で“リアル”を追及しながら、一言一言の変化、押し寄せるハプニングにつじつまを合わせて、初めてのお客様にも感情移入して頂けるように、明日からも精進だわーっ






ちなみに、コチラ知人から送られてきた「レミゼ」ロンドン公式チャンネルのYoutube動画・・・。ポーランドキャストによるとっても楽しい「One Day More」が聴けますよ!!アンジョルラスの登場がオイシ過ぎる・・・(笑)
お時間ある方は是非
http://www.youtube.com/watch?v=DXgCrhIevwU






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