『このあとは』

 

今も気になるあの人と

小唄の会の糸の音も

響く心や過ぎぬ秋

やがておひらき さてこのあとは

 

 

(十年も前に書いたものを、浅草の紫沙ちゃんに曲にしてもらううち、

細かい直しも入ることになった決定版です

メロディは下に。

いきなりのお稽古ビデオになってますので、僕の節はあやふや)

 

 

 

 

ダブ 存在しなくなってからそれは繰り返し広がる

 

ダブ 音楽の歴史のなかで20世紀最後の発明は、ヒップホップとダブ

時にそれは同時に採用された

ダブ 存在しなくなってからそれは繰り返し広がる

 

演奏者は演奏がミュートされるのを楽しみ

一切演奏しないエンジニアが頂点に立つ

 

ダブ 存在しなくなってからそれは繰り返し広がる

 

ダブ 低音と高音以外要らない

でかいスピーカーから出現する振動で

体を細胞ひとつずつに解放するためだ

 

ダブ 隙間だらけの音楽

人を風通しよく隙間だらけにする音楽

所有出来ない その場限りの 音のアクション

今日の奇跡 たどる消えゆく軌跡 

 

ダブ 存在しなくなってからそれは繰り返し広がる

DUB IS

DUB WAS

DUB WILL BE

YOU

 

ヒト 存在しなくなってからそれは繰り返し広がる

 

この音楽には 聴いている私が参加している

そうしなければ この音は生まれない

この音楽には 聴いているあなたが参加している

そうしなければ、この音は生まれない

 

私は何度も音楽に救われてきた

どんなクスリも効かない私の心に

それは躍動し、沈潜し、複数の価値の層をなして

私を励起した 

そのとき私は 

私に参加していたのだ

 

あなたが聴くすべての音楽の あなたは演奏者である

あなたが聴くすべての音楽の あなたは指揮者である

あなたが聴くすべての音楽の あなたは伴奏者である

あなたが聴くすべての音楽のあなたは破壊者であり 

時にあなたは耳をふさぐ

いずれにせよ 音楽はあなたを変える

 

Listening is Playing

Listening is 

TIME IS 

TIME IS

TIME IS BE ABLE TO GO BACK

TIME GOES BACK,NOW

 

時は逆走し得る

音楽よ、君たちは行きたまえ

私はさかのぼる

こうして 

今 過去へと

 

観念は逆送する

宇宙の法則を超える

 

時は逆走し得る

悲しみはどうだ

喜びは

理解出来ない記憶は

甘い追憶は

 

音楽よ、君たちは行きたまえ

私はさかのぼっている

十秒前 十分前 十年前 生まれる前へと

 

TIME IS GOIN' BACK & TOWARD, NOW!

2015/9/17

walk like cows

let's walk slow,everybody.
with your baby.
don't stop your steps.
but so slowly,so slowly.

let's stand before them.
singing our anthem
don't stop our steps
go slowly with one item
 『平和自由宣言』ドイツ語訳が届きました。


http://deutschlernen.jp/friedensfreiheit-erklarung-ito-seiko-mit-shinsuke-y/


“Friedensfreiheit-Erklärung” Ito Seiko mit Shinsuke Y


Unsere Demokratie beginnt hier.
Die erneute unsere „Nichtskriegs-Demokratie.

Wir fordern den Frieden.
Es kommt mit der Forderung nach der Freiheit gleich.
Es existiert weder die Freiheit ohne Frieden noch der Frieden ohne Freiheit.
Wir streben beides gleichzeitig an.
Auch wenn man eine aufgibt und verschiebt, verliert man das andere.

Die friedensfreiheitliche Bewegung schützt jedes Individuum, das daran teilnimmt, und befreit man sich.
Zur Regung darf das Individuum nicht unterdrückt werden und für das Individuum muss die Regung lieber auszugleichen fortgefahren werden.

Beleidigende Worte müssen von jeder Gruppe und jedem Individuum in einem Zug abgewehrt werden. Die Wirkung der Schimpfwörter kommt physischer Gewalt gleich oder noch schlimmer und sie tötet das Herz und verletzt den Körper. Wir wollen die Ausdrucksweise der Menschen, die gern herrschen, umgehen.

“Das Leben eines Menschen ist schwerer als die Erde,” vor diesem ambivalenten Worten muss man wieder Ehrfurcht haben. Ein Mensch ist wertvoller als alle andere Menschen.
Aber sehr geehrte Damen und Herren, die Menschenrechte entstehen aus diesem Gedanken.
Sehr geehrte Unterdrückte, die bei jeder Regung und in jeder Gruppe für die Ziel unterdrückt werden, um Ihre Existenz schwerer als die Erde zu behandeln, ist die Friedensfreiheit-Erklärung geboren.

Deklariere: Jede Einzelne ist immer schwerer als alle Anderen.

Frieden,
Freiheit
und Liebe



上記の文章はいとうせいこう氏による「平和自由宣言」をドイツ語に訳したものである。

「平和自由」「戦無民主主義」「平和自由を目指す運動」などの訳語は熟読した上で意図して言葉を選んでいるが、他言語であるがゆえの主語や目的語の補足は「翻訳というセッション」という名の下に訳者が付け加えたものであることをあらかじめ理解いただきたい。

また、本来ならば Übersetzt von … という文言を入れるべきだろうが、原文が featuring のため mit とさせてもらった。

『平和自由宣言 遠隔セッション』指定書

あらゆる平和集会において、以下の文はどんな日にでも、司会の方にでもアーティストにでも舞台前方に立っている参加者の方にでも誰にでも読まれる。
その際に後ろに音楽がかかっていればよりありがたく、ジャンルはまったく問わないし、声にダブなどがかかって深く変調することも望ましい。
文面は一度どこかですべてが読まれれば、あとは自由にカットアップして繰り返し読んでいただいてかまわない。
これは『遠隔ポエトリーリーディングセッション』という意味ではパフォーミングアートであり、「あらゆる平和運動のための集会、デモでだけ読まれる」という点でいえば演説である。
では、セッションを始めましょう。


【平和自由宣言】<いとうせいこうfeaturing●●●●(←読み手の名前)>

私たちの民主主義はここから始まる。
新たな私たちの『戦無民主主義』は。

私たちは平和を求める。
それは自由を求めることと同じである。
平和抜きの自由はなく、自由抜きの平和はない。
私たちはふたつを同時に目指す。
どちらかを諦めて後回しにするなら、もう一方も失ってしまうから。

平和自由を目指す運動は、参加するあらゆる個人を守り解放する。
運動のために個人が抑圧されてはならず、むしろ個人のためにこそ運動は是正され続けなければならない。

暴言はどのような集団、どのような個人からも一気に退けられなくてはならない。言葉の暴力の効果は肉体的暴力と同じかそれ以上であり、心を殺し肉体を傷つける。支配を好む者たちの言葉遣いを私たちは避けて進もう。

『ひとりの生命は地球より重い』という不思議な言葉をもう一度畏れなくてはならない。ひとりがそれぞれ他の人間すべてより尊いとは。
しかし諸君、人権はそのような考えからしか来ない。
あらゆる運動、集団の中で目的のために抑圧される者よ。
平和自由宣言はあなたの存在を地球より重く扱うために生まれた。

宣言する。あなたがたはそれぞれ、他の者すべてよりも常に重い。

PEACE
FREE
&LOVE

『721/2013』

VOTE。
暴徒、とならず絶望と、別れようと、居直り強盗、でなく前向きな衝動。
君が持ってる用紙の用途。
酔うと、愚痴るより本日がちょうど。
未来のロード、決めるセンターコート。
不平等、くつがえすための行動。
共同、で考える社会の王道。
一族郎党、すぐに応答、堂々、と歩け農道、走れ高速道、ショート、カットするさすが玄人。
とにもかくにも明日(あす)のモード、インポート、物で決めるか、メイドインジャポンと、つきあっていくかとうとう、君の声、君の意見、君の鳴らす音、俺たちは聞こうと、だからGO!と、再び言うVOTE!


 2008年の5/23にアップされていたものを掲載し直す。
 素早く書いたコントだが、ふと思い出してみたら愛着があった。

 我ながら、一時間以内に書いたにしては、いい出来だと思う。
 著作権フリーなので、出版以外ならいくらでも使ってください。
 特に演劇部の方々などには最適か、と。

  


『首吊り』

 明転。
 舞台中央に一本の木。
 首吊り死体がぶら下がっている。

 下手から男A。死体に気づく。
 小さな間。
 やがて、死体はおもむろに顔を上げ、Aを見つめる。

死体「あのー、つかぬことをうかがってもよろしい……」
A 「はい」
死体「……私、死んでますでしょうか?」
A「はい」
死体「そうですか………死んで」
A「ああそれよりすみません、今何時か教えていただけませんか?時計忘れちゃって。ほんと、もー何やってんだか…」

 小さな間。

死体「あ、死んでる……ので、ちょっと腕見られなくて……。すみません」
A「そうですよね、まいったな、彼女もう来ちゃうかな。」(動揺してあたりを見回す)
死体「よかったら、左腕。時計したまま死んじゃってるんで、見てもらえれば。」
A「わ、助かったあ! すみません!」

 A、死体の腕を持ち上げ時計を見ると、少し乱暴に離し……。

A「あと10分しかないじゃん!!」

 大あわてで荷物を取り出し、キャンドルを配置したりシートを敷いたりし始めるA。

死体「え? どなたかと待ち合わせですか? ここで?」
A「はい。美奈子と。今日、僕、プロポーズするんです」
死体「(泣きそうになりながら)ここで?」
A「はい。初デートがまさにここ、この木の下だったんです。ピクニックしましてね。美奈子、ほんとにかわいかった。いや、今もかわいいんですけど。で、今日はその思い出のピクニックを完全再現して」
死体「(割って入るように)あの、完全再現にならないと思うんですよね」
A「はい?」
死体「ほら、ぶら下がっちゃってるから」
A「ああ、気にしないでください。僕が完全再現してるのは木の下のことで、上の方がどうなってたかはもう覚えてませんし」
死体「いやあ、少なくともこういう状況じゃなかったと思うんですけど……」
A「あ、この指輪(カバンから出し)、どう思います?」
死体「……彼女に?」
A「はい!」
死体「今日、ここで?」
A「はい!」
死体「…………かえすがえすもごめんなさい!(必死に頭を下げる)」
A「あのですね、この指輪、どっか冴えたところに隠しておいて、そこからジャーンって出して、美奈子を驚かそうと思ってたんですけど、この(死体の左手をとり)指にはめちゃだめですか?」
死体「いや、それはまずいでしょう」
A「(すでにはめ終え、少し離れたところから確認すると)あ、これいい。絶対ばれない」
死体「ばれないっていうか、縁起の問題ですよ、これは」

 A、聞かずにピクニックの用意を再開する。

死体「受け取ってくれないと思いますよ。せっかくの贈り物ががぜん盗品っぽさをただよわせちゃうっていうか……。あ(下手を見て)、誰か来た!」
A「(下手を見て)来てます?」
死体「俺は少し高いとこにいるから見えるんですけどね。女ですよ。美奈子さんじゃないかな、あれ!?」
A「あ、美奈子です! 美奈子が来ました!」

 A、必死に用意のラストスパート。

A「うわ、緊張するなあ」
死体「俺も頂点だあ」

 美奈子、下手からAに気づき、小走りに来て。

美奈子「うわあ、キャンドル、サンドイッチ、お花、私のためにこんなに色々……(死体をじっと見る)」
死体「…………(目が合ってわずかな間。そのあと、あわてて手を振り)あ、わたしは違いますよ」

 するとAが、死体の手をとがめるように見ている。

 死体、振った手に指輪がはめてあるので、あわてて下におろす。

 小さな間。

 死体、もう一方の手で指輪をさっと隠す。

 暗転。



「オポジションとシスタースクエアは調停される」

 再掲載にあたっての序文

 1932年、マルセル・デュシャンとハルバーシュタットは共同でチェスの研究書を千部だけ出版した。パリで。
 それが「オポジションとシスタースクエアは調停される」である。
 仏語、独語、英語の三カ国語で書かれたこの本を、語学堪能でない私が少しずつ訳し、ブログにアップしていたのは記録によれば2004年12月21日から2006年8月25日までだった(http://seikoito.dreamlog.jp/)。
 およそ二年間、私はチェス好きでなければ面白くもなんともないこの本、いやチェス好きであっても特殊な局面にしか興味のない人向けの本に淡々と機械的に取り組んだ。
 チェスでは奪われた駒は返らない。したがって終盤に向かうにつれ、基本的に盤上は寂しくなる。もしも互いにポーン(いわゆる歩兵)とキングだけが残り、それがある種の形になったらどんな事態になるのか、というのがデュシャンとハルバーシュタットの研究の主眼である。
 チェスのポーンは将棋の歩と異なり、目の前の駒がとれない(斜めひとマス前を攻撃する)。したがってポーンがつの突き合わせるとそれらは自らの力では局面を打開出来ず、じっと動かない。どん詰まりになる。
 そのようなポーンのケースがあちらこちらで起き、唯一動けるのが両キングだけであるとき、盤上では千日手のようなキングのワルツが踊られることになる。こうした「エンディング(終盤)」に関する研究は、ベケットの『エンド・ゲーム(ゲームの終わり)』をはじめとして二十世紀の芸術家たちを不思議に刺激してきたようだ。
 私は多くの日本の“デュシャンとチェスを切り離して考える”研究者に不満がある。上にあげたようなワルツ(『遺作』の前で我々が踊るダンスだ)や、クイーンをすでに失った独身者の主題など、本書にはデュシャンのもつ重要な「観念」が横溢している。
 先にも言ったように私は外国語が堪能でない。その上、ボードゲームがひどく弱いので、多くの箇所で誤訳があるはずだ。私はそれでものちの誰かに引き継げれば、と全項目をアップし直す。
 かつてのブログからひとつひとつのデータをひろいあげる気力を私は失っていた。自分が手元のどの記憶メディアにそれを置いてあったかも思い出せなかった。そこで、近畿大学で助手をつとめてくれていた久野嵩大君に依頼し、この場所にアップするところまでをまかせることにした。
 また、CASE-K氏が“下から積み上がっていくブログのすべての項目を自動的に逆転させるプログラム”を適用してくれる。私が指定する場所へ飛んでいただければ、上から下へと訳文にアクセス出来る。
 両氏にはここで深く感謝しておく。

 それでは拙い、間違いだらけの、しかしデュシャンを考える上では欠くことの出来ない一冊、「オポジションとシスタースクエアは調停される」をお読み下さい。
 そして新解釈などあれば是非書き込んで下さい。
 これはもう私のものではないのだから。
 であるからこそ、私は再掲載に関してほとんどこの序文を書くことしかしないのである。

 なお、この拙訳は私が途中放棄したままの『55ノート』(http://www.froggy.co.jp/seiko/55/55.html)にも深く関係している。