「PETETROPOLIS」

 

■「アラジン」の唄「アラビアンナイト」の背景の建物に似ている


【PETETOROPOLIS】・・ペテトロポリス

「ポリス」はギリシャ語で「都市」


「METROPOLIS」・・ドイツ・フリッツラングの、サイレントモノクロ映画(1926、大正15)

 


「メトロポリス」・・手塚治虫の漫画(1949)作中にミッキーに似たキャラが出てくる

 

ディズニー関連にも、一つある


「ZOOTROPOLIS」・・映画「ズートピア」(2016)はイギリスでは、こう表記される

実際の英国の動物園の名より付けられた

しかし、年代が新しく、今回は、これではないかもしれない

 

【PETE-TROPOLIS】・・ピート・トロポリス

改めて、文字を見ると

【海図】の他の地名の多くは、一行で書いているのに

短く「PETE」を目立たせるかのように、四文字で行を変えている

「PETE」は、ミッキーのライヴァル「PETE、ピート」の事だろう

 

そういえば、客室内のタペストリーに
ミッキー達一行が、ピートを訪問しているような絵があった

この絵でピートは悪役ではなく、王のように中央に座り、にこやかにミッキー達を迎えている

周囲には、ピートに似た動物たちが、そろいの服を着て控えている

これがピートがトップに立つ都市、「ピート・トロポリス」なのか


服を見ると寒い地方のようで、【海図】に描かれた位置とも合っている

天井格子の内装は、チベットの「ポタラ宮」に近い

モンゴルの英雄「イェスゲイ」の肖像画を見ると

この絵のピートに似ている気がする

 

更に、「ピート」ではない場合を考え

「ペテトリポリス」で検索を続けると、或る都市名がヒットした


【PETROPOLIS】・・ペトロポリス

「TE、テ」が足りないが、ほぼ同じ名前の都市が実際にあった

南米ブラジル、リオデジャネイロ州の自治体

 

しかも、生前のウォルトとスタッフたちが訪ねている
その際泊まったホテル「Palácio Quitandinha」は現在も営業中

 

ウォルト、妻のリリィ、アニメーターら16人、アーティスト、作曲家らが同行した

南米視察旅行に、新人のメアリー・ブレアも参加していた

 


「メアリーブレア、Mary Blair(1911年生)」28歳

既婚で、1939年、ディズニースタジオに入社
(ちなみに妻はリリアンバウンズ、1899年生まれ、当時40歳)

 

二年後1941、「ダンボ」「バンビ」製作中にアニメーターたちがストライキ決行、

メアリーは育児の為に退社していたが、すぐ復帰し、この旅に同行した

 


現地で、彼女のスケッチが、ウォルトの目に留まり
以後、彼女の持つ色彩感覚を活かし、カラースタイリストとして活躍

1942年「ラテン・アメリカの旅、Saludos Amigos」
同「バンビ」
1944年「三人の騎士」
1950年「シンデレラ」
1951年「不思議の国のアリス」
1853年「ピーターパン」
以上の映画のコンセプトアートを制作した

 

尚、「ラテンアメリカの旅」「三人の騎士」は、この旅をきっかけに

作られた映画であり、既に【廊下の旅の絵】でも紹介している

1953年に退社 
その後はフリーとなったが

ウォルトの依頼で、万博に出す「イッツアスモールワールド」のデザインをした

 

終了後はアメリカのパークに移設

東京DLにも設置され、多少手は加えられたが現存

彼女の色彩マジックを楽しむ事ができる

彼女の、類を見ない色彩センスと、優しいキャラクターは、

ウォルトと、ウォルトディズニースタジオを変えたと云われる

 

長年のミッキーのライバル・ピートの都市「ピート・トロポリス」と

ブレアの飛躍するきっかけとなった南米旅行の宿泊地「ペトロポリス」

この二つを、【海図】の「PETE-TOROPOLIS」の解釈としたい