博多座の二月公演

『博多座花形歌舞伎』を観劇して参りました。

 

 

楽しみにしていた公演・・・

中村勘九郎さん、中村七之助さん、そして、尾上松也さんの登場です。

 

昼の部は・・・

『磯異人館』

『お染の七役』

 

夜の部は・・・

『義経千本桜 渡海屋 大物浦』

『鰯賣恋曳網』

 

どの演目も興味深いものですが・・・

『磯異人館』は、幕末の薩摩藩を舞台としたこの演目、

ちょうど大河ドラマが熱く放送されていることと、

九州の博多座での演目ということ・・・

鹿児島の方言やその時代に生きた若者の生き様が、

時を越えて伝えられていました。

 

今回は、

中村橋之助さん、中村福之助さん、

役柄同様に若さ溢れるご兄弟が演ずる舞台は

深い興味と共に新鮮さが感じられました。

 

そして・・・

『お染の七役』

七之助さんの七役、

その迫真の演技と見事な早替わり、

妖艶な美しさは、一瞬も目が離せない魅了される舞台でした。

 

『義経千本桜 渡海屋 大物浦』

尾上松也さんが時代の大役である平知盛を演じます。

その壮絶な最後のシーンは、本当に見応えが・・・!

 

『鰯賣恋曳網』

昭和29年に初演された新作歌舞伎、三島由紀夫作品です。

ユーモア溢れる喜劇、そのやりとりを勘九郎さん、七之助さんが、

軽妙に演じていらっしゃいますが、これまでには、

17世中村勘三郎さん、18世中村勘三郎さんが演じ、

三代にわたって継承されている作品です。

そういうこともあってでしょうか・・・

勘九郎さんが演じるコミカルな仕草・・・

指の動きや目の表情が、

時折、お父様の勘三郎さんの生き写しのようにも感じる程の

一瞬、一瞬があり・・・

演目の楽しさの中にしみじみする瞬間が何度かありました。

 

と言うのも・・・

かつて、勘三郎さんが勘九郎さんの時代に

テレビ番組のインタビュー取材で現場に伺った際、

取材しているその周りを元気にバタバタと走り回り、

お父様に叱られている、まだ小さなお二人がいて・・・

 

そして、お二人の密着取材をさせて頂いた、

成長された20歳の頃・・・

そんなさまざまな場面が蘇り、

そこにあるいくつもの表情が、

舞台のお二人の表情にも重なり、

この博多座での勘九郎さん、七之助さんが眩しくも感じました。

 

思うのは・・・

なんといっても、

華のあるお二人ですね。

そういったところも、継承していくもののひとつになっているようです。

 

 

今月25日まで上演しています『博多座花形歌舞伎』

それぞれ趣の異なる演目・・・

どの演目も魅力に溢れています。

 

 

帰宅して・・・

じっくり拝見しているパンフレット。

今回、出演者の皆様のプライベートなことも伺える記述も・・・

舞台の余韻に浸りながら・・・・・

いま楽しく眺めています。