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ストローク

45才働き盛りを脳卒中が襲った。

今日はすっかり落ち込んだ一日だった。退院してからこんな日ばかりだが今日の落ち込みようは救いがなかった。カオルは部屋に戻りmacbookを開きgoogleを表示させると人生最悪の事態と打ち込んだ。やはり先客はいた。「俺のほうが最悪やろ」と呟くこともできずmcを閉じた。デスクの脇を見ると昼間に書いた全能チャートの年収5000万円の文字が見える。新たな事業が軌道に乗った場合の収支予想だ。気持ちの不安定さもここまで激しいと見事である。昼間ふと外に出た後部屋に戻るまでに尿意が我慢できずに小便を漏らしてしまった。実は初めてではない。どうも麻痺の影響で排泄を我慢する機能が衰えているみたいだ。リハビリの先生にも以前に確認を取った。でも男性はまだましだという。私は以前、薄いグレーのズボンをはいていたときにやってしまってからその手の色のズボンの着用は控えた。最悪漏れてもぱっと見ではばれないような色のズボンを好んだ。こういった決断をしている自体、漏れも仕方なしとしている自分が情けなかった。しかし今日はズボンを通り越し靴下から靴まで濡らしてしまった。惨めである。以前部屋の中で大きいほうを漏らした時はズボンもパンツもまとめて流しで洗った。洗うといっても片手での作業の為人の何倍も苦労する。それを妻にばれないように部屋干しする。週に一度くらいのペースで洗濯ものを改修してくれる妻にばれないよう湿ったタオルに重ねて版画脇のパンツをいつもの袋にしまった事を思い出す。