左巻きの朝顔 | ニューヨーク狂人日記

左巻きの朝顔

仲間内にも色々あるらしい。
朝の散歩から帰ってきて一服。
そんな雌ネコくんに別のネコくんがネコパンチ。
びっくりした彼女は再び窓の外へ出てしまう。

様子を見に行き
「だいじょうぶだよ」
頭をなでてやってると。
「???」
何かが違う。
頭の中が唄いつづける。

窓に一番近いところの細い鉄柱に紫色。
灯台下暗し、というアレ。
小さいけどこの夏一番。
地元・ブルックリン産の朝顔が開いた。
小さな花を目いっぱいに広げようと。
太陽に向かい背伸びしてる。
でも笑ってる。



窓を開け首を出したとき。
はるか昔にかいだ匂いを感じた。
思い出せない。

駅へ向かう道。
大通りに折れたときだった。
あれはラジオ体操の朝の匂いだ。



6月30日。
ミュージシャンの白浜久さんが、
福岡県大牟田市のライブハウス『Studio GUMBO』で。
ギター・メインテナンス・ワークショップを開かれた。

「フムフム」
当日の写真を見ながらニヤニヤ。
「いやー、ぼくはギターだけが右利きで、
あとは全部左利きなんっすよねー、ホント」
そんな言葉を思い出したから。

彼を見るのは客席から。
左手はネックをすべり、
ピックを持つ右手が弦から音を紡ぎだしていく。
ステージを下りてからはというと、
いつも酒の勢い(ぼくの方が)の中で、
どの手が箸を、コップを、皿を握ってるのか気づいていない。
どころか気にかけていない。
そんな自分に気づきながら眺める写真。

ワークショップでエレキの裏蓋を開けてしゃがみこんでいる白浜さん。
ハンダゴテは左手の中で。
宇宙船から降りてきた宇宙人を見ているようで楽しい。



朝顔は。
下から見上ると右巻きにツルを巻きつけていくらしい。
知ったのは10日前。
さっそく非常階段にはい出したツルを巻きつけてみた。

今朝花つけていたツルもやはり右巻き。
ぼくのつむじは左巻きで。
しかも後頭部のおっこちそうなところと、
あとひとつは額の真上にある。
小学校の同級生の中には想い出すやつもいるだろう。
「左巻きはバカ!」
子供時代の定番。

だが、花をつけたツルの巻きがちがう。
同じ右巻きでも。
後巻きのユルユルではなくて。
それこそ黒く小さな硬い粒の中に生命を宿す朝顔の種のように。
固く、でも硬すぎず。
ていねいに鉄柱にからみつきながら天を向いていた。
花の15cm上に明日の約束をつけて。



世界にひとつ。
左巻きの朝顔があってもいい。
そんなツルを探して旅に出たくなる。
もし見つからなくても。
自分で左に巻きつけてみようか。
そして観察日記を書くのもいい。
左巻きが観た、左巻きの朝顔日記。



明日の約束。
花が開く。
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飼い主と同じです。
ボケてます。