Sloop John B: スリッパ意識不明
スリッパに意識なし。
形はあるけど。
気持ちは行き来しない。
「行き」すらもあるかどうか。
スリッパをはく。
無意識に。
靴を脱ぎ、鍵を開け、かばんを置く前に。
食卓に座り、箸を取り上げ、味噌汁椀を持つみたいに。
あたりまえのこと。
いや、それ以前の次元で帰宅からスリッパまではつながってる。
帰ってきた。
感じたり、考えたりすることはそんなにないけれど、
解放、そして守られた足が。
じんわり汗ばむ指の間が。
帰宅信号を頭へ送る。
スリッパははきものじゃない。
スリッパは家。
物心ついたころ家にスリッパはなかった。
ぼくは何で家を感じていたんだろう。
まあ、スリッパとはいっても、
玄関と台所でしかはけなかったけど。
初めてのスリッパはなんだかうれしかった。
パジャマの上に着せられたガウンよりも。
そのくせ最初のスリッパを覚えてない。
青いサテンのキルティング、
姉と色違いのガウンのことは覚えてるのに。
ともあれ、スリッパに意識があった頃。
昨年、人の家へあがるときいきなりスリッパを出された。
不意打ちを食らった。
もちろんこれまでだってそんな場面はあったんだろうけど、
記憶から欠落している。
そこにいる間中、その人の家を足の裏で感じつづけてた。
その感覚を今思い出した。
江戸時代。
草履や下駄の時代はどうだったろう。
若い頃は家の中で靴をはく生活にあこがれてた。
いざ、アメリカへやって来ると家で靴をはいた覚えがない。
慌てて忘れ物を取りに帰るときくらい。
家へ帰りスリッパをはくか、
帰る場所がなくて靴をはきつづけているかのどちらかで。
家で靴を脱がない。
外と内の線はどのあたりで引かれるんだろう。
もちろん、
ドアを開け、屋根・壁があり、家族の笑顔があるんだから、
そこに家を、家庭を感じるはずだけれど。
無意識の感じが渇かないんだろうか。
無意識だから気づかれないのだろうか。
スリッパの存在しない世界では気づくことすら気づかれない。
屋根もある。
ドアもある。
壁もある。
今日からしばらくの間、
スリッパを1脱ぐと19時間はけない。
持ってくればいいんだけど、
そんな気も起こらない。
ジュークボックスを見つけるとコインを落としこの曲をかけていた頃があった。
『Sloop John B』 The Beach Boys

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形はあるけど。
気持ちは行き来しない。
「行き」すらもあるかどうか。
スリッパをはく。
無意識に。
靴を脱ぎ、鍵を開け、かばんを置く前に。
食卓に座り、箸を取り上げ、味噌汁椀を持つみたいに。
あたりまえのこと。
いや、それ以前の次元で帰宅からスリッパまではつながってる。
帰ってきた。
感じたり、考えたりすることはそんなにないけれど、
解放、そして守られた足が。
じんわり汗ばむ指の間が。
帰宅信号を頭へ送る。
スリッパははきものじゃない。
スリッパは家。
物心ついたころ家にスリッパはなかった。
ぼくは何で家を感じていたんだろう。
まあ、スリッパとはいっても、
玄関と台所でしかはけなかったけど。
初めてのスリッパはなんだかうれしかった。
パジャマの上に着せられたガウンよりも。
そのくせ最初のスリッパを覚えてない。
青いサテンのキルティング、
姉と色違いのガウンのことは覚えてるのに。
ともあれ、スリッパに意識があった頃。
昨年、人の家へあがるときいきなりスリッパを出された。
不意打ちを食らった。
もちろんこれまでだってそんな場面はあったんだろうけど、
記憶から欠落している。
そこにいる間中、その人の家を足の裏で感じつづけてた。
その感覚を今思い出した。
江戸時代。
草履や下駄の時代はどうだったろう。
若い頃は家の中で靴をはく生活にあこがれてた。
いざ、アメリカへやって来ると家で靴をはいた覚えがない。
慌てて忘れ物を取りに帰るときくらい。
家へ帰りスリッパをはくか、
帰る場所がなくて靴をはきつづけているかのどちらかで。
家で靴を脱がない。
外と内の線はどのあたりで引かれるんだろう。
もちろん、
ドアを開け、屋根・壁があり、家族の笑顔があるんだから、
そこに家を、家庭を感じるはずだけれど。
無意識の感じが渇かないんだろうか。
無意識だから気づかれないのだろうか。
スリッパの存在しない世界では気づくことすら気づかれない。
屋根もある。
ドアもある。
壁もある。
今日からしばらくの間、
スリッパを1脱ぐと19時間はけない。
持ってくればいいんだけど、
そんな気も起こらない。
ジュークボックスを見つけるとコインを落としこの曲をかけていた頃があった。
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