3月上旬に読了した本の紹介です。

独断と偏見で書いた読書評の様なものです。

文中は敬称略としました。

 

 

2023.6.25 発行となっている中公新書です。

 日本野鳥の会の月刊誌"野鳥"に広告があったので

近くの本屋さんに取寄せて貰いました。

 著者の唐沢孝一(1943~)は東京教育大卒業後

高校の生物教師を務める傍ら、都市鳥の研究を続け

その分野の第一人者として多くの著書があります。

 

都市鳥とは都会や人里の環境で生活する野鳥の事で

スズメ、カラス、ツバメを代表としており、

現時点ではヒヨドリ、ムクドリ、イソヒヨドリなども

含まれ、種類は都市の変化の影響などで拡大・縮小します。

 著者の1980年代からの長年の研究成果を簡単にまとめた

もので、変化が著しい都市環境に於ける野鳥の生態が

語られます。

 

都市に進出する野鳥の特徴としては営巣に樹木が不要で

岩場や隙間でも営巣できる事があげられます。

スズメ、イソヒヨドリ、シジュウカラなです。

(我が家でもシャッターの2㎝の隙間からスズメが入り

中で営巣し巣材が詰まり動かなくなりました。)

 スズメやツバメやカラスなど日頃見掛ける野鳥の

生態について何も知らなかった事が判りました。

例えばツバメは同じ巣で同じ番いが繁殖するが

オスの渡り到着が遅れるとメスはさっさと他のオスと

番いになるらしい。

変化を続ける都会の環境を利用し必死に、したたかに

生き抜く野鳥の姿が良く判りました。