2月中旬に読了した本の紹介です。

この本も話題の本で本屋さんの店頭に並んでいました。

独断と偏見で書いた読書評の様なものです。

文中は敬称略としました。

 

 

2023.7.30 第1刷発行 私の本は

2023.8.30 第2刷発行となっております。

9月頃に買って暫く積んでいました。

著者の原直人(1961~)は早大卒の経済記者です。

この本は表紙にある通り、多くの経済人や経済学者、政治家など

とのアベノミクスに関する対談をまとめたものです。

しかし、発行時期が早く裏金問題には言及されていません。

 

私は経済の事は全くのド素人ですので判らない事も多かったし

大胆にも理解不能まま無い頭でこれを書いています。

 

アベノミクスの基本構想はリフレ論から出発していた。【リフレ論とは】

 正常と考えられる物価水準よりも低下している物価を引き上げて安定させ、

デフレと不況を克服しようとする経済政策、統制インフレーションとも言う。

 

【2013年に実質スタートしたアベノミクスの3本の矢を思い出しましょう。】

1本目の矢:大胆な金融政策:金融緩和でお金の流通量を増やしデフレマインドを払拭

2本目の矢:機動的な財政政策:約10兆円規模の経済対策予算で需要を喚起

3本目の矢:民間投資を喚起する成長戦略:規制緩和による民間企業の実力発揮

 

この本の対談内容を無い頭で概括すると3本目の矢の効果は無かった様です。

バブル崩壊後のデフレ基調の主因は消費マインドの冷え込みが原因で

それはお金の流通量を増やしても解決出来なかった。

最終的には株価高騰や預貯金拡大などの金余り現象に繋がった。

 

アベノミクスの結果として現在残されたものは大きく三つある様です。

(1)GDPの2倍以上の1000兆円を超える国債発行。

   但し国債の半分以上を日銀が保有している。

   中央銀行の役目は判りませんが、今は政府の一部になっている様です。

   しかし、ばらまかれたお金の行先は消費の拡大には繋がらなかった。

(2)アベノミクスの負の遺産として内閣による官僚支配の強化

   政権による省庁トップ約500名の直接任命化その結果官僚の意欲の低下

   時の政権への忖度により本来業務が出来ていない。

(3)成長戦略の停滞

   バブル崩壊後の30年で日本社会(インフラ・IT化・子供政策・医療体制など)

   の劣化は更に進行し、アベノミクスでも立ち直る事は無かった。

 

 現金やクーポン券、支援金などとしてばらまかれた1000兆円は最終的に

何処に流れて行ったか? ネット情報からの勝手な私見です。

〇約400兆円:株価の高騰:現在の株高も金余り現象ではないか。

 株を持っている資産家に行った。

〇約200兆円:国民の預貯金の増加

 一般庶民には殆ど行ってない。

〇約150兆円:大企業の内部留保の積み上げ

〇約100兆円:海外資産の確保

 資産家の蓄財

〇約80兆円:コロナ対策

 一般庶民と医療関係者、製薬会社などに

〇32兆円:東日本大震災復興支援金

 

 経済学者にも経済の動きは変動要因が大き過ぎ予測がつかない様です。

経済は国際情勢の影響を受けやすく、戦争や紛争、天災、パンデミック、

資源ナショナリズムなど多くの外乱要因で予想外の変化をする様です。

経済学は科学では無く、基礎や理論の積み上げが出来ない学問の様です。

 

 

 

 日本の現状については根は一つで国民(一般庶民)の将来不安だと思います。格差拡大で一般庶民の消費マインドは子供の養育費不安、老後不安などにより冷え込み、消費を抑え預貯金に頼るなど現金志向が強くなった事が主因と思います。

未婚化、少子化も同じ根から出ていると思います。

 

 一番心配なのは日本国内の大災害・紛争被害などによる供給力の大幅不足で、

その時は円の大暴落を招き、高度なインフレとなり預貯金は実質消滅するでしょう。

言い換えると供給力が維持出来る限り、無成長・水平飛行ながら、なんとかなる様です。