2月中旬に読了した本の紹介です。
本屋さんに並んでいた最近話題の本です。
独断と偏見で書いた読書評の様なものです。
文中は敬称略としました。
2022.11.30 第1刷で、私の本は
2024.1.25 第11刷となっております。
大変多くの人に読まれている事が判ります。
尚、毎日新聞出版からの単行本の出版に先駆け
ネットでも公開されていた。
著者の武田惇志と伊藤亜衣は共に共同通信社の
大阪社会部の若い記者です。
武田惇志(1990~)は京大修、伊藤亜衣(1990~)
は早大修です。
行旅死亡人と言う聞き慣れない言葉ですが
行き倒れている人の身分を表す法律上の呼称で
また、本人の氏名または 本籍地 ・ 住所 などが
判明せず、かつ遺体の引き取り手が存在しない
死者も行旅死亡人と見なすそうでう。
詳しく書くとネタバレになりますので簡単に書きます。
本の前半はこの女性が一体誰なのかを追跡して行きます。
警察や探偵が調査しても判らなかった身元を苦労の末
ついに突き止めます。
途中、善良で有能な協力者が次々と現れ助けて呉れます。
後半はこの女性が一体どんな人生を歩んで来たかを、幼馴染や
知人の証言などを基に組み立てて行きますが、最後まで
多くの空白が残ります。
ネットを駆使し、過去の新聞情報なども読み込み次々と
謎が解けて行きますが、結論は本の表紙にある
桐野夏生のコメントの通りで多くの謎は死者が
持ち去ったままになっていました。
私は遅読ですが、面白いので一気に読んでしまいました。
この本は度々新聞広告(我が家は毎日新聞)が出ており、
本の表紙の絵で犬の縫いぐるみを持つ女性の後ろ姿が
とても気になりました。
イラストは高姸(台湾の漫画家でイラストレーター)
が手掛けていました。
この本はミステリーであり、ドキュメントでもあります。