曲を紹介するにも名曲が多すぎてどうしましょうか、というくらいに数々の名曲でボカロPとしても名を馳せる梨本さん。
迷った挙句に取り上げるのはごあいさつ代わりにライブの冒頭で演奏されることが多い「おえおえお」です。
比較的初期の曲ですが、歪みのかかったグルーブ感溢れるギターサウンドが魅力な曲でパートも基本はA+Bしかない潔さ。
「飲みすぎて吐き散らしながら深夜の街をさまよう私」をありていに冷徹に描くという内容で一見オチも救いもありません。
歌詞も「ゲロ肉弁当」などの言葉がアクセントとしてちりばめられているのですが
抑揚をきれいメロディにのせ、歌詞足りえさせているのがすごいです。
当初ご機嫌なうちはメジャーコード、切迫してからはマイナーコードという緻密な構成も粋ならば、汚いものでも心を打つ創造物になるという詩と音楽の不思議な力が爆裂している名曲です。
梨本さんの曲は同様ににきれいごとを許さない言葉がならんでいても、どこかに血の通った温かみのある曲が多く、わかりやすい言葉が見事にメロディラインに乗ってるのが匠の技。
きれいな言葉だけが歌詞ではないし、きれいごとでは飽き足らない人たちの心に刺さる曲が作れる名コンポーザーです。

曲は下記で(初音ミクさん版です)
https://www.youtube.com/watch?v=rXpR23GhfSA