第9回 YJPC ジュニア部門 出場者選考 晴海堂大会
2024年1月21日(日)
カネヨシプレイス・小ホール
終演後、審査員の先生から総評をいただきました。
【審査員】山田敏裕先生(名古屋芸術大学副学長)
本日の出場の方では、バロック〜ロマン派までの幅広い課題曲の中から、バロック作品を選択された方が多かった。
子どものうちにバロックの作品に沢山触れるというのは大切なこと、貴重なことなので、それはいいのですが、
その演奏スタイルが楽譜の音を拾っていって奏でるいうことではなく、バロック時代の古典奏法というものをきちんと指導者も勉強して指導に当たって欲しい。その時代の曲を現代のピアノで弾く時のルールをしっかり踏まえた上で演奏すると、もっと表現も変わってくるし、その次のステップにも繋がっていく。
色々な解釈はあるが、本当に真剣に学んだ上で(理解した上で)、ルールに沿ってのそれぞれの考え方(解釈)というもので表現していってほしい。(指導してほしい)
【審査員】藤本真実先生(ピアニスト、元名古屋音楽大学・同大学院講師)
学年が上がってきて体格も大きくなった方達は手も大きくなってきて、自由で余裕のある弾き方をしていらした方もいて、それはとても良いことでもあるのですが、しかし一方で、指先のメカニズムに対してもっと理解を深めていくと、もっともっと色んな音が出せる。
打鍵の瞬間の音をもっとよく注意をして聴いてみてほしい。
指や手首、肩などに余分な力が入っていないか、右手と左手のタイミングがバラついていたりした時に、どんなタッチ、姿勢で弾いているか、もっと気にしてほしい。
表現する気持ちが先行して自由に弾いてしまうのではなく、基本の指の形、脱力、テクニックというものを、もっと意識して自分が出している音をしっかり集中して聞いてほしい。自分の音を耳を育ててほしい。
また、曲のテンポを大切にしてほしい。
速い曲をゆっくり弾いても正しい表現にはならないこともあるし、ゆっくりの曲をゆっくり過ぎてもそれは、その曲の持つ意味が変わってきてしまう。
弾きたい曲が速すぎて弾けないからゆっり弾くというのはよろしくない。
今日は出演者の皆さんの、とても熱心で気持ちのよい演奏を沢山聴かせてもらって、とても楽しかったです。
次は、審査発表となります。