ご近所さんが
「明日配達してもらうお弁当を、これからしばらくひとつ減らして欲しいのだけど、どこへ連絡したらいいのかな?」と尋ねてくれた。

毎週水曜日、地域のボランティアの人たちが市民センターでお弁当を作り、希望する高齢者世帯、ひとり暮らし世帯へと届けている。
私はそれの配達をしている。

「どうかされましたか?」と聞き返すと、
奥さんが前日にすぐそこで車にはねられて、入院したとのこと。
びっくりした。

買い物に行くと家を出て、数分経つか経たないかの距離での事故。
何が起こるか分からないものだと痛感した。

「行ってきます」と家を出て、元気に「ただいま!」と帰ってきてくれるのは当たり前ではないことを思う。
悔いのないよう、家族の見送りには一回一回、心をこめようと思う。

このご主人は「ザ・昭和のお父さん」。
仕事一筋で家事一切は奥さんがし、ご主人の両親の介護もひとりでしていたと聞いている。

敷地内に家を建てて住まいしている娘さん家族の食事の準備も、ちょっと前までこのお母さんが請け負っていた。
緊急事態のご家族の混乱は容易に想像できる。
頑張って、お父さん。
恩返しの時よ、娘さん。

頭を打っていて、まだ意識が戻っていないと聞く。
どうか回復されますように。
お元気な姿を、あの優しい笑顔をまた見せてくださいね。