仕事や勉強などで「気づく」「気がつく」「感づく」力は重要なものである。この「『気づく力』を発揮して物事を進める」につなげていくことで成果(結果)が出てくることをはっきりと自覚して仕事などに取り組んでいかなければならない。
 そこで、その「気づく力」はどのようにして生まれ発揮できるのかを、私が今までの税理士業務の体験から書いてみるので、参考にしていただきたい。
 

 それは私の苦い経験である。
 20代の頃の話だが、自信を持って堂々と作成した決算書、申告書が誤っていると税務署から指摘され、修正申告をしなくてはならなくなったのであった。
 原因は私の単純ミスだった。

 私は19歳からこの業界に入って、基本的な簿記、会計学、原価計算はすでにマスターしており、税法に関しても法人税法、所得税法もある程度わかっており、決算書、申告書の作成も通常の仕事と思って難なくこなしていた。
 それが修正申告とは、青天の霹靂であった。

 私はそのようなミスをしたことに驚き、同時に「気づく力」が欠けていた自分の力不足を深く反省して、関与先のトップと当時の勤務先の所長に頭を下げて謝り、修正申告に応じてもらった。

 その時に私が強く自覚したのは、単純ミスとはいえ関与先のトップなどに大変ご迷惑をおかけして信頼を裏切ってしまった事実であり、誠に申し訳なく深く反省した。
 そして、「今後は心を改めて、ミスは絶対にしないぞ」と心に刻み、「ミスや誤り」が発生しないためにはどのようにしたらいいのかを深く考えた。

 そして達した結論は
「『気づく力』を付けるためには、やった仕事などを何回も思い起こして再考すること。そして今まで以上にチェックや検討を繰り返すことである」
であった。

 それからは、決算書や申告書のチェックや検討を勤務時間はもちろん、勤務時間外でも実行する習慣づけを身に染み込ませて、「どうだ、私がやった仕事は文句のつけようがないだろう」と自負できるくらいまで自分自身を追い込んで、「気づく力」を発揮して、納得のいく仕事ができるようになった。

 それからはますます自信がつき、私が担当している会社のトップの皆様からは「お前がやった仕事は安心できる」とまで言っていただけて信頼と信用を得ることができるようになり、私自身、自分の実力が急速にアップしたのがわかるようになった。

 以上が私の若かりし頃の苦い思い出と、身をもって体験した仕事に対する取り組み方の話である。

 私はこの経験からいろいろなことを学んだ。それは「これではいかん」とはっきり自覚して目覚めることで「ミスや誤りの再発を防止する」こと、それには「チェック、検討を何回も繰り返すことが重要である」こと、くわえて「決算書、申告書のポイントとなるところを深堀する」ことで「これでいいのか」と更に「気づく力」を発揮することである。
 そして「気づく力を発揮して物事を進める」トレーニングを積み重ねることにより、このテーマは実現可能となり、成果(結果)につながるようになった。
 また、仕事に対する取り組み方は、実行する人の考え方あるいは意識の差ひとつで結末が大きく左右されることをお伝えしておく。

 私は今後もこの「気づく力」を鍛え続けるつもりである。
 早朝のジョギングなどの時間に「昨日の仕事などを思い起こして再考する」を続けることで「気づく力を発揮して物事を進める」を実行して、成果(結果)を出し続ける決意である。

 

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