人生は順風満帆であるにこしたことはないが、そううまく進んでいかないのが人生である。

 今や中小企業や小規模事業者の方々は、いろいろな面で逆風にさらされて、うまく舵取りするのも至難の業である。
 まさしく「苦境を乗り越える」ことが大きな課題となってくる。
 

 日本経済は物づくりを一層強化しつつ、海外展開できている企業などは円安の効果もあって好調であるが、そうでない企業はもう一つ軌道に乗せるまでに至っておらず、いろいろと模索しながら打ってでる戦略である。

 国内需要も全体の景気回復がもう一つはっきりしないことや、円安による物価上昇が影響してか活気がないのであるが、海外からの観光客がここにして急増して、おみやげ品売り場や免税店は活気づいているのが現状である。

 そこで中小企業や小規模事業者の方々は目線を今現在順調な会社の業種などに向け、変化に対応して生き残りをかけた戦略も視野に入れて行く必要がある。
 いかにして好調な企業の追い風に乗れるかが重要な鍵となる。

 中小企業や小規模事業者の方々は、打って出るにしても「人、物、金」が乏しい不利な条件ではある。
 何とか明るい出口というか突破口を知恵を出して見つけ出さなければならない。

 国の政策としての物づくりに関しては、中小企業庁の物づくりなどの補助金制度や融資制度などいろいろな支援を行っている。
 また税制面の即時償却などをうまく活用することで、資金源を確保することも検討して、積極的な取り組みが必要となる。

 その他には、中小企業庁が各都道府県に委託して中小企業や小規模事業者の方々に「経営などに関しての悩みやお困りの相談」などの問い合わせ先や詳しい支援内容を記載しているガイドブックなどを発行しているので、そこに相談したりするのも有効である。
 

 そして更に進めなければならないことは、現状の経営状況を的確に判断して、業務の改善・改革をトップ自ら先頭に立って、幹部や社員を動かし成果(結果)を出すことであり、それによって「苦境を乗り越える」が可能がなるのである。

 それは簡単なことではない。業務の改善・改革は、トップ自らが相当な覚悟をしてかからなければ、中途半端であったりスピードが遅いことが現実であるのは確かである。

 トップは、それではなかなか前に進んでいかないことを強く自覚し、このままの状態では誰も助けてくれないことを悟る必要がある。
 心を入れ替えて積極的に動き、部下も動かして会社一丸となって業務の改善・改革を実行することで、初めて明るい出口が見えてくるのである。

 さらに、そこから手を緩めることなく、いろいろな新鮮な情報やデータを入手して、人脈などで積極的に攻め込む行動力が要求され、なりふりかまわずチャレンジして展開することで、苦境を乗り越えられる可能性は高くなるのである。
 

 今や商売のやり方も変化しているので、いろいろな分野のトップレベルの人々と情報交換とかお付き合いで明るい展開も可能となるので、そういう積極的な取り組みもできるよう日頃から進めておくことも大事なことである。
 苦境の時こそ、今まで以上の積極的かつ前向きな行動が要求される。