藤井先生の源氏物語論は長期にわたるお仕事ですが、70年代後半の「寺小屋教室:源氏物語を読む」講座が一つの結節点をなしたといえるでしょう。当時のテーマのひとつが、婚姻規制と阿闍世王(あじゃせおう)コンプレックス問題でした。

その急先鋒だった安川洋子さんの論稿(「源氏物語と「阿闍世王説話と薫の造型―正篇から続編へ」)と藤井論考を交叉させながら、現在も問題としてとりだしうるのは何か、どう読み解くべきかを考えてゆきます。(なお残念ながら安川さんは、昨年5月に逝去されました。)


成城寺小屋講座の宮崎優毅と中條あらため山本真之介が報告いたします。報告後の時間は、藤井先生はじめ当時の“寺小屋教室”メンバーを交えた議論の場としたいと思います。

 

◇日時:6月1日(土) 15:30~
◇場所:世田谷区成城

 (詳細は寺小屋事務局へお問い合わせください)

◇報告会

 第1部「今あらためて、源氏物語と阿闍世王説話の関係を問う」(仮)

  報告者:宮崎優毅/山本(中條あらため)真之介

 第2部<山本ひろ子の原典講読>多武峰『常行三昧堂儀式』を愚直に読む(その2)

報告会終了後は懇親会を行います。

今回も趣向を凝らしたメニューでおもてなしいたします!

◇参考文献
・安川洋子「阿闍世王説話と薫の造型―正篇から続編へ」(『iichiko』23号 1992)

 

 

・藤井貞和「『源氏物語』と精神分析」(『フロイト全集』月報 岩波書店 2007)
・藤井貞和著『タブーと結婚「源氏物語と阿闍世王コンプレックス論」のほうへ』(笠間書院 2007)、『物語論』(講談社学術文庫 2022)