沖縄久高島のイザイホー特別上映とトークセッション。

5日の講演が終わり、会場をあとにして、

ここにも二人の〝神女〟か。と脳裏をよぎる。

運営にエネルギッシュに携わっておられるMさんと映像関係会社のMさん。

お二人ともに久しぶりにお目にかかったが、

ぱっとその場が明るくなる

変わらぬ華やかな存在感に圧倒される。

 

――イザイホーは女の祭であるにもかかわらず

女性からの視点で論じられることが少なかったので、

無理をお願いして山本先生にご登壇をお願いいした。――

 

という旨の私信が、講演後にMさんから山本先生に届いたという。

 

確かに、イザイホーに高群や石牟礼を持ち込むということは斬新だったと思う。

しかも二人とも詩人でもある情緒豊かな女性。ここにも〝神女〟。

 

懇親会ではゼミ長のO女史が、イザイホーの映像を見て、

女性たちが可哀想で悲しくなった、と話していたとも。

男たちが偉そうで、と。

ここにも新鮮な着想。

 

山本ひろ子先生の〝南島〟をめぐるお仕事として、

直近のものは、

『琉球文学大系』の月報6

「鎌倉ノートと波照間永吉さんと」(2023.11)

 

 

今回の映像「イザイホー」と関連するものとしては

山本ひろ子先生編集の別冊太陽『祭礼―神と人との饗宴』(平凡社、2006)

がある。

 

表紙は比婆荒神神楽。写真・酒寄進一

 

ここでは宮古島の豊穣祈願祭「ユークイ」を取材している。

45歳から56歳までの〝ナナムイ〟と呼ばれる島の女性たちが、年間45もあるムラの行事を営む。

「ユークイ」はムラ最大の行事で、〝ナナムイ〟への加入・引退も行われる。

 

集落内の御嶽(うたき)を巡るユークインマ。写真・大城弘明

 

ゼミ長Оの関心に添うものとしては、ナナムイを率いる立場のツカサ=司祭者(ウフンマ=大司)を5年間務めた女性へのインタビューなどだろうか。

インタビューでツカサは言う。

 

「タカギーンドゥ カヂヤフチィ」(高い木に風は吹き当たる)

 

(つづく)

 

参考文献:別冊太陽『祭礼―神と人との饗宴』山本ひろ子編・酒寄進一写真(平凡社、2006)