土地勘を取り戻そうと、次いで向かった先は叡山坂本。

これから数日間のフィールドワークの加護を頼み神仏諸天にご挨拶。

晴天に感謝、清々しい空気感を味わう。

 

 

で、(愛護の洗米じゃありませんが…)駅前のパン屋で、もしもの時用の食料を確保。

(看板には〝無添加〟の文字がおどり、時間が経ってもふんわりと優しさのひろがる美味しいパンでした。午後にはほとんど売り切れという人気店。)

 

観光案内を訪ねて祭の概要と周辺地図、パンフ類を入手。

 

 

祭に長年携わってこられた地元の方による一冊。

こちらを今回の見学会のアンチョコとさせて頂きました。

 

荷物を預けるロッカーの場所や、食事処、「唐崎」への交通についても確認。

日吉大社と坂本の町をぐるりと一周。

ああ、そうだ。と記憶もうっすらよみがえる。

相変わらず人気の「鶴喜蕎麦」を余所目に、昼食は京阪坂本駅近くの「末廣」さんへ。

地元の土建業の方々も昼食中で、祭の準備のことなどあれこれとお話しされていました。

 

 

幸いなことに観光案内所で思いがけず「坂本の歴史を探る」(編集・発行 坂本の歴史を語る会、数野夘吉)と題された2冊の冊子を頂戴。

 

ぱらぱらとめくると、坂本及び日吉大社の神社について地図と解説が載っています。

山本先生の論考で馴染みの人々がご祭神として祀られていたり。

ここでやっと、はたと閃く。

そうだ、祭見学とあわせて先生の論考などで見知った坂本の小さな神社を巡ろう。

 

さて、集合はホテルのチェックインに合わせた時間。

ホテルのある大津へと引き返し、ホテルへの道順を確認し、フロントで近隣の地図を貰って、駅前に戻り喫茶店で皆の到着待ちつつ、パンフや冊子類を見直します。

 

「今どこですか?」

「皆揃ってますか?」

「M君が日程を勘違いしてまだ東京の大学に居るようです!」

「どうやら合流は19時くらいになるそうです!」

などなど連絡が飛び交い、

やがてガラガラと荷物を曳いた一行があらわれて。

疲れ気味の顔、興奮気味の顔など、

東京で見る顔とはまた一段と違って見える面々といよいよフィールドワークの開始です。(つづく)

 

○参考文献:山本ひろ子「〈物語〉のトポスと交通 日吉大社大宮縁起と説経『愛護の若』と河原巻物をつなぐもの」(赤坂憲雄、兵頭裕己、山本ひろ子編『物語・差別・天皇制』五月社、1985 所収)、坂本の歴史を語る会、数野夘吉編・発行『坂本の歴史を探る 第一巻 坂本の神々〈その1〉 氏神さま32社について』、同『同 第二巻 坂本の神々〈その2〉 日吉大社40社について』、山口幸次写真・文『日吉山王祭―山を駆け湖を渡る神輿たち―』(サンライズ出版、2010)