正常化と感覚麻痺の改善の関係を実感した、最近の症例報告です。

※片麻痺の方ではありません。



70歳代 女性 脊柱管狭窄症術後(3年ほど前に手術) 

状態

・自転車で通院出来るぐらいの能力だが、歩くと怖い・しんどい・疲れる訴えがあり、ほぼ家で暮らす生活

・手術してからずっと腰が痛い

・右臀部も痛い

・左下肢のしびれ、痛み、「切りたい」という訴え。左下肢の分離運動は出来ているが、極めて筋出力が弱く、膝を伸ばす・足首を動かす際に過剰に努力や集中を要し、腰の痛みが生じる



この方と関わる時間が、週一回20分のリハビリのみという状態です(保険診療)

色々評価して色々な介入をしていた(いわゆる真っ当な理学療法ってやつです)のですが、今回はそこは省きます。



さて、この方の大きな問題点である、しびれや痛みのある左下肢を触ってもいわゆる「凝り」や「過緊張」というものを感じなかったんです。

 表層

 皮膚

 むくみ

 奥の方になんかあるけどむくみで分かりにくい

    

と言う風に感じていました。


そうなると、脊柱管狭窄症の影響が残っているのかぁ、という風に考えていたのですが、ある時



・自分自身の正常化がちょっと進んだ事(多分)

・凝りや過緊張が無いし、分離運動も出来るのに、これだけ筋出力(出せる力の事です)が弱いって、もしかしたらこの足の太さは異常部位か?と考えた事

・自分の末端が力んでいる事に気付き、触り方を変えた事

・なんかしっかりきてなかったし、思い切っていってやるぞ!!


という要素が絡み合った結果、


表層

皮膚

筋膜とむくみ

異常部位と筋萎縮してる表層の筋肉

異常部位

多分筋膜

奥にある凝り・過緊張の筋肉



じゃないか??と言う風に手が感じたんです。

そのイメージで触り、異常部位を取りつつ、奥の方の凝りや過緊張の筋肉の緩みが出て、表層の筋肉が少しでも筋力が出せるように、、という介入をしました。

途中から、感じたイメージ通りっぽいぞ〜という確信が出てくると同時に更に緩みが出てきて、、


といった具合に、同じモノを触っているのに全く違うイメージや触感が出てきたのです


そうやって触った後、立ったり歩いた際に

「左足が付いてる感じがする」

とこちらから聞いた訳でもないのに、笑顔で訴えがありました。



、、さて、臨床は甘くありません。

その翌週にまた来られた際に、やっぱり痛い、しびれるという訴えが出て来ました。

ところが、足を触った時に↑の青く感じた足の感覚と少し違い、むくみや異常部位が減ってる!というのが分かりました

それを感じたので、前回と同じ左膝を伸ばす、左足首を動かす事をやってもらうと、過剰な努力や集中が減って、「前より簡単に出来る」という訴えがありました。

また、「足を切りたい」訴えは出てこなくなりました。


、、この方の腰痛や歩行は、まだまだ問題点が多いです。

しかし、「真っ当な理学療法」では辿り着けないであろう改善が出来たように感じています。



さて、

正常化がバチっとはまると、世界が変わって感じる

というのを書きたかったのですが、伝わりましたでしょうか?

バチっとはまるとと書いているのは、僕も万人に同じような変化を出せる訳では無いからです。まだまだまだまだ研鑽修行精進です。



いやぁしかし、ちょっとテンション上がったなぁ笑 しかも、もっとこの先があるんだろうなぁ〜




※感覚麻痺の改善と書いていますが、正確には「むくみや過緊張や異常部位があったせいで感じにくかった状態が改善された」のだと考えています。実際はこういうパターンが結構多いのでは?とも他の方を見ていて感じます。