(イギリス王室より提供)

「プラントハンターっていうと、17〜18世紀イギリスで活躍した職業というイメージがあると思います。草花が少なかった当時のイギリス帝国に、次々と見たこともないような美しい花や美味しい果実のなる果樹、薬や香料などになる有用植物をもたらした人たち。彼らは貴族や王族、もしくは企業や政府に雇われて世界を旅して植物を収集し、しのぎを削ったようです。あとは、プラントハンターという職業についてはおれも詳しく調べたことがないので、みなさんも興味があったらウィキペディアなどで調べてください。笑。ただ、自分も10年くらい前からそう呼ばれるようになり、たしかにいろんな国の貴族や王族皇族、企業、政府機関に頼まれて植物を届けてきましたが、この地球上で資源になりうるものをしゃぶり尽くすように採取されている現代において、昔のように新種の植物がわんさか発見されるはずもなく、また、自分たちの生活を劇的に変えてくれるような植物の発見は困難であり、そんななかで現代において自分の仕事とは、ひたすら待ってくれる人のために植物を届けること、それと同時に大切な価値観やメッセージを届けることです。それがライフワークだと思っています」

 

人に自分の仕事のことを自己紹介するときには、大抵こんな風に話すことが多い。とにかく言えることはプラントハンターとはプロフェッショナルな職業であって、趣味ではないということ。あと、その定義は、いろんな職業がそうであるように、時代とともに変わっていくこと、ということと思っている。

 

そういう意味では、21歳から魔法にかかったように植物のことを好きになり、狂おしいくらいに夢中でやって気がつけばもう18年経ち、これまで一日たりとも植物に対して努力を惜しまずやってきて、たくさんのことを犠牲にやってきたこともあったが、日々世界中から仕事の依頼が寄せられるようになった。そんな自分の日常をまあまあ愛おしく思っている。

 

でも、もっというと

例えば今月だけでも自分の代わりにスタッフたちが、

 

園芸の盛んな八丈島へオランダに輸出する為の植物を探しに行ったり、

大きなプロジェクトに使う植木の仕入れに福岡県の産地に行ったり、

巨大なオリーブの輸出のためにスペインへ行ったり、

国際的メジャーホテルの庭やオリンピック関係のパーティや大きなコンサートの施工に行ったり、

大学と講座開設の打ち合わせをしたり、

神社仏閣に納品や打ち合わせに行ったり、

銀行に交渉に行ったり、

海外メディアに対応したり、

入社式と新入社員研修のマニュアルを作ったり。

 

そんな日々はかなり愛おしく思っている。

 

さて、冒頭の写真のワケはというと、ご縁があってお誘いと推薦があり、1月にイギリス王室に招待されてチャールズ皇太子の晩餐会でご一緒したときのこと。チャールズ皇太子は環境問題に対して造詣が深く、凛とした哲学を持っておられることや、ご自身も植物をこよなく愛し、実際に非常に高度で温かみのあるガーデンデザインを設計されるガーデナーでもある。フォーマルとナチュラルの絶妙なニュアンスをバランス取ることができる、すごいデザイナーだと思う。また、とてつもない量のチャリティを運営しているにもかかわらず、本当に素朴な方でたくさん植物や庭のお話しをさせていただき、おれはすぐファンになった。

 

(イギリス王室より提供)

(最近の愛読書)

 

そして何よりイギリスはガーデナー、プラントハンターの聖地でありキュー王立植物園はその殿堂。

今の時代、火傷をしたからと行ってアロエを塗る時代ではない。だけど、プラントハンターはその時代その時代にタイムリーな植物を待ってる人に届ける夢ある職業だと思っている。そして植物は、国境や性別、人種や年齢や階級、宗教ですら超えて分かり合えるもの。

今後も変わらず、自分を必要としてくれる人のために植物を届け続けようと思う。

 

 

今日は槇原敬之さんが、イギリスのグループ Blue へ提供した 「The Gift」  という曲。なんでも日本に来日していた彼らがテレビで「世界に一つだけの花」を聞いて、「この人に曲を書いてもらいたい」とオファーしたと、確か何かのネットに書いてあったような気がする。

おれは、槇原さんがセルフカバーした、「僕が一番欲しかったもの」 

それを、人生を変えた一曲としてずっと大事にそばにおいてます。

 

最近、槇原さんのニューアルバムがリリースされて、酔いしれている人も世間に多いのではないかと思う。(おれもその一人)

 

Design & Reason 、、、 本当に本当に全部全部いい曲なんです。槇原さんだからおどろかないんだけど、おどろくよ。曲も歌詞も、曲順までも、何もかも。。うまく言葉にできないけど、

映画のようなドラマチックさがあるんやなあ。