6月に入り、鳩山首相が辞意表明をし、菅新首相が国会で選ばれた。



小泉純一郎氏が2006年に勇退し、安倍晋三氏、福田康夫氏、麻生太郎氏と1年ごとに首相が交代し、昨年の総選挙の結果で政権交代により鳩山氏が首相になり、今回菅氏が首相になるという、学校のクラス担任の交代かと思うほどの交代の多さである。

鳩山氏に交代したのは総選挙の民意によるものであり全く否定するものでない。

ただしその他の交代は支持率低下や参議院選挙の結果による退陣であり、本質的には不必要であると思っている。


首相の国会での指名は衆参両院で行うが、異なる結果が出た場合は衆議院の結果が優先されるという制度からして、実質的に衆議院によって首相は選ばれるといってよい。

そのため、参議院選挙の結果与党で過半数を割ったからといって首相が退陣するべきでない。

確かに参議院選挙が直近の国政選挙の民意であるが、そこで与党が過半数割れをしたら、内閣は衆議院を解散し政権与党をしっかり選ぶ選挙を実施すべきである。


これがしっかり行われ、衆議院選挙でも与党が過半数割れをしたら、政権交代と国会のねじれ現象解消が同時に行われるのである。


首相の頻繁な交代や衆参のねじれ現象は政治を不安定化・停滞化させ、国益を損なう結果となる。

また、他の国からみるとリーダーが頻繁に変わる国は長期課題を話し合う相手がいないとみなされ、世界の動きから置いていかれてしまう。


首相(内閣)を選ぶ役割のある衆議院の選挙結果以外での首相交代は行うべきでないと言いたい。

今回の菅新首相への交代もこの点から好ましくないと言わざるを得ない。

これで夏の参議院選挙の結果が民主党敗退となれば、また首相交代になる可能性が高く、今年再度首相が代わるということになる。


まず、制度が変えられない現状では、菅新首相は参議院選挙の結果では辞めるべきでなく、衆議院議員の任期まで務め上げるべきである。

参議院選挙は衆議院のそれとは違い、都道府県選挙区制(実質的に中~大選挙区制)と比例代表制のセットであり、多党制を生みやすいもので、一党単独過半数を生みにくいため、民主党単独過半数がかなわない可能性が高い。

これまでの政権もそうだが、そんな制度の選挙結果で毎回辞めていては、4年に1度の衆議院選挙と3年に1度の参議院選挙の結果が出るたびに代わる必要が出て、短期政権が続いてしまう。

参議院選挙の結果わずかに過半数に足りない程度であれば、参議院審議で慎重に説明を行い、与党以外の賛成を得たり、小規模政党との追加連立を選んでのぞめばよい。

大幅に過半数を割る事態になれば、これは民意が政権与党へNOということなので、内閣は衆議院解散を断行し、総選挙を行って民意を問うべきである。

これを経て衆議院・参議院で新たな政党(政党連合)が過半数を獲得し政権交代が行われれば、真の意味での民主主義であると考える。


今後の制度変更に制限をおかなければ、参議院の権限縮小・変更と内閣・衆議院の運命共同体を図る制度設計を行うべきである。

解散がない参議院に期待される目的は落ち着いた立場でのチェック機能であり、重要案件の決定権は柔軟に民意を反映できる衆議院に委ねる。

昨年来評価されている事業仕分けのような観点での法案チェックや決算機能の役割を参議院は担う。

その代わり首相の指名権は衆議院のみに与え、参議院選挙の結果での首相交代を防ぐ。

そこへ内閣・衆議院をセットで変えられるように内閣総辞職時は解散総選挙で民意を問う。民意で衆議院の勢力が変われば内閣が代わる。

この制度設計で実行力があり、かつ民意を常にしっかり反映した内閣が組織される。

このような制度変更をしないと、情勢変化・民意の変化が速くなっているこの時代に政権だけがコロコロ代わることでガス抜きする政治は変わらないと考える。



以上をふまえて、現在の状況では菅新首相の誕生は否定はしないが、これ以上の首相交代はこれ以上繰り返すべきでない。

国益や現在の国内状況から考えて、交代を繰り返すことはマイナスにしか働かない。

2月2日に国土交通省により、民主党マニフェストの目玉の1つだった高速道路無料化の2010年度実施区間が発表された。


今回の区間を見ると地方のしかも交通量の少ない区間が目立つように思う。

これは当初6000億円を予定していた予算が1000億円に削減された影響であろう。


ただ今回の区間を見ると基準、根拠、妥当性が見えてこない。

やるからには社会実験とはいえそこの区間を選んだ理由があってしかるべきであろう。

1000億円使って2000億円の経済効果があるなども理由になるだろう。

ただ明確な説明はなかった。なぜ都市部だったり交通量が多い区間ではなく、地方の交通量の少ない区間なのだろうか。


また今回の選定区間は選挙を睨んだことも考えられる。自民党参議院議員の実力者である青木幹雄議員の地元である島根県は無料区間が多かった。

青木議員は今年夏の参議院選挙で改選となる。そこを狙った形を変えたバラマキだとするならば好ましくない。


またこのような中途半端とも言える実施に紛れて、通行料の割引原資を使って新たな高速道路を作るよう民主党側から要望が出された。

小泉内閣の下で断行された道路公団民営化は、ムダな高速道路の建設を抑える目的もあり行われた(一部骨抜きになった部分もあったが)。まさに新規建設はそれに逆行する。

また高速道路無料化は全て税金で賄う話だったはずであり、新規建設する余裕があるならば約束である無料化をなぜ減らしてでも建設するのか説明が必要だ。


また民間会社である道路会社に委ねるのが経済の常道と思う。

]道路収入、サービスエリア収入などから建設を行う、負債の返済をするのが民間会社だ。


このような中途半端な高速道路行政を行うならば無料化などやめて、将来の温暖化防止につながる自動車メーカーへのエコカー開発補助や消費者のエコカー購入補助などに回す方がよっぽどよい。

温暖効果ガス削減も国民との約束であるため、このような政策転換は国民も是とするのではないか。


そうでなければしっかり無駄を省いて財源を確保し、高速道路無料化を徹底的に断行し経済の活性化につなげるよう努めてもらいたい。

民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件が大きな局面に来ている。



小沢氏の元秘書である石川知裕衆議院議員や秘書2人が逮捕された。

今回の事件の捜査・逮捕、小沢幹事長双方に不可解な点が多い。


捜査については、いったい何が目的なのかと疑いたくなるほど、与党民主党を追い詰める。

党側の最高実力者である幹事長の周りの人間をよりによって党大会前日に逮捕する。

また、衆議院議員である石川容疑者の逮捕も国会開会直前である。

国会議員は会期中の不逮捕特権という権利があり、国会が始まってしまえば容易に逮捕は出来ない。

このタイミングでの逮捕劇は「政治介入」と言っても過言ではない。

今回のような捜査は、時に政治を動かすことも可能である。過去にも田中角栄(ロッキード事件)、竹下登(リクルート事件)、金丸信(佐川急便事件)と時の権力者が捜査でその座を追われている。


確かに、国会議員の立場を利用した事件は、国民への背信行為であり、断じて許されるべきものではない。

しっかり捜査を行ってもらい、全容解明されるのは期待されるところである。

しかし、権力者を引きずり下ろすことが目的になっているように見えて仕方ない。

このような捜査は政治の不安定化を招き、結果国民生活への大きな影響を生む。

特にこの未曽有の不況下での来週からの国会はいつにも増して重要である。

その直前に政権を揺るがすような捜査は慎むべきではないかと思う。この捜査で政権基盤が揺らぎ、来年度予算案が年度内に成立しないことがあれば、路頭に迷う人も少なくない。

国会議員の事件に関しては、時に大胆に時に慎重に捜査を行ってもらいたいと思う。

逮捕をもう少し早めたり、遅めたりするだけでも違ったと思う。


次に、小沢幹事長側である。小沢幹事長は検察の捜査に対し、「自らの信念を通し、そして戦っていく決意」と述べ、徹底抗戦の構えである。

小沢幹事長の主張は事務的なミスとしているが、一連の報道や本人の説明からも今ひとつ今回の問題の内容が見えてこない。

おそらく国民の大多数は小沢さんがどういう"悪いこと"をしたのかを説明できる人はいないのではないだろうか。


また、小沢幹事長の説明も足りな過ぎると思う。

記者の問いかけには無視して歩いて行ってしまうこともあるし、記者会見をしても丁寧に、また誰しもが理解できる説明がされない。

本当に潔白というのであれば、正々堂々と国民に対し、しっかり時間をかけて丁寧に説明する場を設けるべきではないだろうか。


鳩山首相の資金問題も含め、政権ナンバー1と与党ナンバー1の2人がカネにまつわる問題を報道されても、支持率があまり落ちないのは、昨年の政権交代からの流れで国民の期待がこれまでの政権以上に大きいことの証拠であろう。

国民の手によって戦後初めて「選ばれた」政権であるからこそ、しっかり説明責任を果たし、本来の仕事である国民の生活向上・安定を果たしていってもらいたいと思う。


最後に鳩山首相はこの問題で、小沢幹事長と首相公邸で会談した際に、「どうぞ闘って下さい」と語ったと伝えられているが、政治・行政の基本を分かっているのであろうか。検察=行政の長は鳩山首相自らである。

十分自己否定ととれる発言をしている首相は、本当にそう思っているなら自らの権力で検察を止めるべきだし、その自信がないなら小沢幹事長に説明責任や進退判断を突き付けるか、それも出来ないならば自らの仕事を今一度考え直したほうがよいと思う。


小沢幹事長に権力でも問題でも振り回されるような首相であれば、国民の期待する実行力は発揮できない。どちらか一方でも断ち切る勇気を首相には持ってほしい。