フランコ・コラピントの主要スポンサーであるメルカド・リブレが、アルピーヌのスポンサー一覧や2026年型マシンから姿を消したことは、チームとドライバー双方にとって大きな驚きだった。アルピーヌはコラピントとの契約を2026年まで延長しており、その際には彼を強力に支援してきたメルカド・リブレとのパートナーシップも継続されると広く受け止められていた。実際、2025年シーズンにはアメリカ、メキシコ、サンパウロの各グランプリで特別カラーリングが施されるなど、同社はチームにとって象徴的な存在だった。
しかし現在、メルカド・リブレはF1におけるスポンサー戦略そのものを再検討しているとされる。アルゼンチン国内での認知度はすでに十分に高いことから、同社はブラジルやメキシコを含むラテンアメリカ全体でのブランド拡大を重視する方向へ舵を切り、特定の一人のドライバーに依存しない形でスポンサー活動を分散させ始めている。その兆候として、アウディのガブリエル・ボルトレートや、復帰したセルジオ・ペレスのヘルメットにロゴが掲載されるなど、複数ドライバー・複数チームへの関与が表面化している。
一方で、アルピーヌとの関係が完全に断たれたわけではない。水面下では、同社が引き続きチームパートナーとして残るための交渉が継続しているとされる。アルピーヌは今後メルセデス製パワーユニットを採用し、バルセロナでのシェイクダウンでも好感触を得ており、競争力向上が見込まれている点はスポンサーにとっても魅力的な材料だ。
この不透明な状況は、コラピントのF1デビュー以降、爆発的に盛り上がりを見せてきたアルゼンチン国内のファンに大きな不安を与えている。F1会場にアルゼンチン代表のサッカーユニフォームが溢れるほどの熱狂の中で、主力スポンサーを巡る混乱がドライバーの将来やチームの安定性に悪影響を及ぼすのではないか、という懸念がメディアやSNSを中心に広がっている。今後、メルカド・リブレとアルピーヌの交渉がどのような結論に至るのかが、コラピントのキャリアとファンの安心感を左右する重要な焦点となっている。
