もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら


・・・を読んでみた。




前から気にはなっていたのだが、表紙がアニメの萌えキャラだったこともあり、書店のレジに差し出す勇気がなかなか湧かなかった。


しかし、年頭に我が社社長の薦めもあり、後輩から借りて読むことにした。


内容は、20世紀最高の知性といわれるピーター・F・ドラッカーが『企業経営』について書いた著書『マネジメント』に高校野球の女子マネージャーが出会い、その教えに沿って仲間と力を合わせて甲子園を目指すという物語。


まぁ、ストーリーは一風変わった青春モノである。


しかし、その中で引用されているドラッカーの教えはさすがである。




ごく当たり前のことが書かれているのだ。


『マネジャーの根本的な資質は真摯さである。』


『顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。』


・・・などが、そのほんの一例になるのだが、よく考えてみると深いのだ。




例えば、『顧客』についてである。


『マネジメント』では『顧客が誰か?』の問いこそが、企業にとって最も重要な問いであると書かれている。


続けて、それを『やさしい問いではない』『答えの分かりきった問いではない』と言いきる。


その答えのヒントとして、破産寸前だったキャデラックを救った経営者の言葉を挙げる。


『我々の競争相手はダイヤモンドやミンクのコートだ。顧客が購入するのは、輸送手段ではなくステータスだ。』


この場合、キャデラックの『顧客』は、『ダイヤモンドやミンクのコートを買うお客さん』ということになる。


さらには、企業は『顧客』からスタートしなければならないとして、

重要なのは、『われわれが何を売りたいのか』ではなく、『顧客が何を買いたいのか』であると締められている。


その教えは、あまりにも当たり前で、潔く、深い・・・




その中でも自分が一番気になったのは、マネジャーの資質にもある『真摯さ』についてだ。


この本の各所に出てくる『真摯さ』という言葉。


終盤でこのように引用されている。


『・・・無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。だが真摯さの欠如は許さない。決して許さない。彼らはそのような者をマネジャーに選ぶことを許さない。』


・・・とある。


ドラッカーの『真摯さ』のない人間に対する嫌い方が尋常ではない。


恨みでもあるかのような扱いである。


逆に、『真摯さ』を持つ人間の評価は最上級である。


あまりにも強烈なので、『真摯さ』の意味を調べてみた。




『真摯』


まじめで熱心なこと。




これなら今からでもなんとかなりそうな感じがする。


ハードルが低そうな気もする。


改めて、再び本を読んでみた。


2回目の『もしドラ』の18ページ・・・


『・・・学ぶことができない資質、後天的に獲得することのできない資質、初めから身につけていなければならない資質が、一つだけある。才能ではない。真摯さである。』



・・・




























手遅れ・・・か?