先日の徳川家康公顕彰400年記念事業のパフォーマンスでお世話になった田畑煙火さんにお礼参りに行ってきました。
住宅地から離れた川沿いにある場所にある花火工場 「 田畑煙火 」。
入口横の赤い看板からは火器厳禁の文字が飛び出してくるようなメッセージ性を帯びている。
床一面は砂利で敷き詰められていて花火を制作する棟は、余分なものを省いて簡素に作られていて、間隔を空けて建てられている。これは建物が引火爆発した時の為の配慮だそうだ。
引火予防の為の配慮で天井の電灯は特別な素材で覆われていて、花火の基を作る動力機械も火薬を挟まないように細心の掃除を行っている。
辺りはとてつもなくクリーンだ。
ほのかに火薬の匂いが辺りを包み込んでいる。
静かだ。
すがすがしい日の光を浴びた庭に出ると、花火玉がリズム良く干されていた。
これが上空に上がると、あの色彩豊かな発光を創り出す火薬玉。
色彩は見た目はどれも同じ。玉の大きさによって光の大きさを調整している。
横に完成した小さい花火玉があったので手に取ってみた。
思ったより軽くしっくりくる。
このサイズが普段良く見ている花火のサイズ玉。
大きいものだとこれぐらい。
持ってみるとずっしり、クル。
火薬を詰める作業は伝統に則った方法で手作業、儀式のように粛々と行われていた。
花火が打ちあがって燃え尽きるように玉は紙で作られている。
サクサクと小気味良い音が聞こえてくるような流れ作業。
15年位制作し続けている職人の手さばきには無駄がなかった。
小動物のように手が動き続けていた。
他の棟には花火を打ち上げる大筒が置かれていて、どれも重金属性。
見やすい赤で塗られている。
仕掛け花火はこのような筒で打ち上げる。
大きさは直径20cm程。
沢山の経験を積んだような様相で赤い塗料も色彩を帯びていないようだ。
昔良き時代の匂いがする花火工場。
日本の美を感じた空間。