2018年ダービー馬ワグネリアン。ダービー後に休み明けゆるい馬体でレースをした事で反動が出た。 それから2年間の間、大阪杯やジャパンカップで3着に好走するも体調が整わず休みがち。 同僚のマカヒキと同じ末路を辿ってしまうのか?
陣営は思い切って手術に出た。全身麻酔を受けて声帯を除去。ワグネリアンは声を失った。
そして7ヶ月のリハビリを経て、ノーザンファーム天栄から12月に帰厩。
滋賀県栗東に戻ってきたワグネリアンは随分と老けて、年老いた印象だ。
極寒の栗東TCにて、トレーニングを開始したワグネリアン。 人間と違い、馬は寒さに強く冬が大好きだ。
坂路とCWコースで鍛えられて行くワグネリアン。 目指すは京都記念である。
レースの1週間前には武豊騎手が追い切りに騎乗しポリトラックコースで好タイムをだす。
同僚のマカヒキにも騎乗したことがある武豊騎手からはマカヒキの時のような明るい声は聞けなかった。 7ヶ月の放牧明け、まだ本調子とは行かないようだ。
2021年2月14日 阪神競馬場で開催された京都記念。
スーパースター武豊騎手が騎乗するとあってワグネリアンは2番人気に推された。ファンならず陣営もユタカマジックを期待しての騎乗依頼である。
しかし、現実はファンと陣営の描いていたものとは違った。
ワグネリアンはスタートでつまずくアクシデント。中間のゲート練習は実を結ばなかった。 だが、武豊騎手が落ち着いて対処した。
内に入ることができなかったワグネリアンは外の9番手でレースを進める。
今日の阪神内回り芝は先行馬が圧倒的有利。
ワグネリアンには厳しい流れとなったが直線ではジリジリと伸びて5着入選。
手術後、長期休み明け初戦としては及第点。
5着ワグネリアン(武豊騎手)
「折り合いもついて、道中良い感じでしたし、良いレースはできました。ただ息遣いがあまり良くなく、休み明けで伸び切れませんでした。次は良くなると思います」
(友道康夫調教師)
「5着という結果は、喉の手術の影響よりも休み明けの分でしょう。最後まで脚は止まっていませんし、長期の休みがあったことを考えれば、よく頑張っていると思います。予定通り、このレースを使って大阪杯へ向かいます」
内回り小回りでは未勝利のワグネリアン。 大阪杯を選択した陣営に不満が残るも、ディープインパクトの最高傑作コントレイルとのダービー馬対決で大いに盛り上がることであろう。