道程(高村光太郎) | サラリーマン書道家 教証~KYOSHO~ の 筆文字日記

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近畿の片田舎でサラリーマンと書道家
2足の草鞋を履く「教証」が
日々の生活で出会った素敵なことばや
歌詞などを筆文字でつづります。

道程1

高村光太郎(明治16年~昭和31年)の

有名な詩『道程』から

「僕の前に道はない

 僕の後ろに道は出来る」

 

詩はこのあと

「ああ、父よ

 僕を一人立ちさせた父よ

 僕から目を離さないで守る事をせよ

 常に父の気魄を僕に充たせよ

 この遠い道程のため」と続きます

 

 

実はこの詩

本来のものから最後の部分を

「切り取った」もので

ほんとうはもっともっと長い前段があるのを

ご存知ですか?

 

光太郎の父は同じく彫刻家の

これもまた超有名な高村光雲ですが

自分がこれまで歩んできた

厳しい 険しい道のりを振り返る中で

父の存在がいかに大きいものであったかを

格調高い文章で綴っています

ご興味のある方は

ぜひご一読をおすすめします

 

さて 作品のほうは

和歌山県高野山あたりで

昔ながらに漉かれている和紙

”高野紙”を使いました

1枚漉きで四方に”耳”がついた

状態で 表具師さんにお任せしたら

かっこいい タペストリーに

仕上げてくれました

道程2

地元の若い表具師さんですが

長い間神戸の名人の内弟子として

みっちり修行を積まれた

とても腕のたつ職人さんで

センスも抜群なので

いつも安心して表具を任せています

 

書道をやる若い人が減ってきて

いるのがよく話題になりますが

周辺を支える 表具師さんや筆匠さん

墨匠さんたちも後継者が不足しているとのこと

書家だけではなく

大きい意味で 書道界全体を

若い人にも魅力があるものに

していかなければならないと痛感しています