その男に詰問するのは親の責任と言い、M子の母親とXは俺とM子を外に出した。俺たちはほとんど会話もなく、近所のファーストフード店で時間を過ごした。30分もしただろうか、早足でM子の母親たちがやってきた。席に着くなり「どないして、あの人のところにおったんや?」強い語気で質問する母親。「以前、知り合ったK君(家出した先の一家の息子)ウチにおいでって言うから…。」M子はおびえながら答えた。その家の息子というのも多分テレクラで知り合ったのであろう、鳶職の22歳の男性とのことだった。俺たちが訪れた際は外出中で、そこのオヤジと2人で留守番をしていたそうだ。「吉田さんと別れてから寂しくて、それからK君が優しくしてくれて…。」M子は経緯をポツリと話しだした。家出しようと決意した日はコンビニで一晩中立ち読みをして時間を潰し、その後Kと知り合ったそうである。Xは「一晩中コンビニで時間を潰せるものかねぇ、吉田くん?」と少し呑気な発言をした。『俺のせいか…。』俺は自責の念にかられた。ただ、そう思いながらもM子の会話の中にはどうしてもフに落ちない点が見受けられた。重苦しい時間が過ぎていき、俺たちは今後2度と逢うことはないと言い合い別れた。

 それから数カ月後、神戸のハーバーランドで学校帰りのM子と偶然に遭遇した。神戸は広いようで狭い。「あっ、久しぶり。」ぎこちない挨拶とぎこちない会話が交わされた。俺は大人らしく(?)「ちゃんと学校行ってるの?」と当たり障りないつまらない言葉を投げかけた。するとM子は「うん。前はごめんね。実はあの時には言わなかったんやけど、K君っていうのは嘘であのオジさんとオジさんの男のお友達とで過ごしてたの。」やっぱり!!俺の考えていた最悪の状況がリアルやったとは!!寂しかったのは本当で、行き場がなくテレクラに電話。そこで知り合ったのがあのオヤジだった。自暴自棄になっていたM子は、あの部屋で酒池肉林に溺れていたそうである。恐るべき10代!この1~2年後に援助交際がもてはやされ暴走する10代が現れだすのだが、M子は援交女子より暴走していたのだ。そして嘘で嘘を塗り固めていくリアル“ROCK’N’ROLL SWINDLE”なM子の今後に恐怖したのだった。

 M子と再会したその数週間後に彼女の母親がXとは別の老齢の男性と、腕を組みながら仲睦まじく歩いている姿を見かけた。『母親に愛人がいる…。それはホンマやったんや!!』

 それからM子とは今現在まで遭遇することはなく過ごしている。もちろん、もう10年以上前でM子も成長して出会っても分からないだろうな。

 いや~、重苦しくてま~ったくエロくない話しやったね。次は中休み。今まで出会った女性がHの最中に発した印象的だったセリフ集をお届けします!その次はまたも長編!カップル喫茶編pt.2です!

→つづく