まだあどけなさが残るM子との会話は可愛らしく、学生生活や友達のこと。最近の震災のことまでとネタには困らなかった。1時間も話した頃だろうか、今日はこれから用事があるとのことで会話を終了することになった。俺は当時まだ珍しかった携帯の番号を教え、「よかったらかけてきてな」と電話を切った。即アポが無理だった諦めとかすかな期待を込めながら。その後もコールが余るほど入れ喰い状態だったが、アポは取れずオケラで帰ることになってしまった。

 翌日、携帯に見知らぬ番号からコールが。「M子からだ!」俺は即座に電話を取った。たわい無い会話を交わし、翌日暇だと言うM子をデートに誘った。翌日11時に阪急のX駅のホームで待ち合わせということにし、お互いの服装を告げた。当時のテレクラでの出会いは携帯も普及していないため、前もって服装を告げたりお互いの特徴を聞き合うという行為が盛んに行われていた。それが、とてもドキドキしたものだった。

 M子との初対面当日、俺は少し早めに駅に着いていた。昨日聞いた服装に酷似する女性を探す。小走りに走って来る女性が…M子だ!先日書いたテレクラで遭遇した女性とは大違い(笑)!M子はストレートの黒髪が美しく、大きな二重の瞳にアイドルっぽい顔がとても可愛らしかった。挨拶も早々にやって来た電車に乗り込む。まだ少し寒かったその日、車内は暖房が効きすぎていた。そして、羽織っていたコートを脱いだM子。モデルのように細く長い手足がチラリと見えた。まぶし過ぎるその姿にクラクラした俺だった。上がりまくるテンション!お互いのことをいつもより多く話しながら、大阪のアメ村へ向かった。その中でM子が子役アイドルとして某チョコレートのCMに出ていたことが発覚!半信半疑だった俺。「確かにここまで可愛いしありうる…。」するとM子は持っていた小さなアルバムから2枚の写真を取り出した。ポーズを取ったM子の宣材フォトとCM撮影時のポラだった。「本物や!」しかし、テレクラにこんな子がっけてくるんんて…成田アキラのマンガでも滅多にないで…。テンションはレッドゾーンを振り切っていた。

→つづく