2021年6月2日(水)日経新聞朝刊33ページスポーツ

 

2018年の全米オープンで大坂なおみがセリーナ・ウィリアムズに勝利して、優勝をしたときのインタビューで、セリーナファンからブーイングが起きた。

大坂なおみは帽子を深くかぶり、顔を隠して、セリーナの横で泣いていた。

セリーナ・ウィリアムズは、ブーイングを起こした観客に対し「恥を知れ!」と一喝した。

そして、大坂なおみの今回の辞退に際して、セリーナは「今、なおみを抱きしめてあげたい。彼女の立場がよくわかるから。人はそれぞれ違う。」とコメントをした。

さすが、大坂なおみが尊敬するセリーナ・ウィリアムズである。

彼女は、本当に強くて、優しい人だと思った。

人には、それぞれ向き不向きがある。

テニスのファンのために、インタビューに答えるのも、プロテニスプレーヤーであると言う人もいる。

しかしテニスのプレーパフォーマンスを落とすまでして、インタビューに答えてほしくはない。

テニスのインタビューに応じたい人が応じればいいと思う。

勝負の世界は非情である。

ナーバスになるのは当たり前。

相撲のNHKによる力士に対するインタビューもやらされ感が満載である。

あれも、やり方を検討したらどうだろう。

テレビ画面の向こうにいる人も生身の人間であることを忘れずに、やさしさのある世の中になってくれればと思う。