2021年5月18日(火)日経新聞朝刊8ページ金融経済
フェイスブックは決して、自分たちの通貨をあきらめていなかった。
フェイスブックは、一般の現実社会で流通させようとしてリブラ(現ディエム)という仮想通貨を発行すると2年前に発表した。
その時に、反対の声明を出したのは、各国の中央銀行、政府である。
自分たちの管理下にある、自分たちの通貨が、自国民たちに使われなくなる懸念があるからだ。
そこで、フェイスブックはリブラを各国の通貨に相場が連動するステーブルコインにするとして、なんとか理解を得ようとした。
そして、今度は世界の各通貨ではなく、まずはアメリカドルにだけ連動する通貨にすると発表した。
本部も、スイスからアメリカに移すとのこと。
これで、スイス金融市場監督機構からの免許は不要となった。
CEOもアメリカ財務省元次官にした。
いよいよ年内にも、ディエムの試験運用が始められるとの観測がでている。
実は中国とアメリカが世界の覇権争いをしている中、通貨でも中国は着々と覇権を握ろうとしている。
フェイスブックで友人同士がディエム(旧リブラ)を使えるようになれば、一気にドルが世界の通貨として流通されるようになる。
アメリカとフェイスブックの思惑が一致しているのである。
新聞では、まだまだ道のりは遠いという論調であるが、これはすぐに来ると私は思っている。
仮想通貨、デジタル通貨、政府が管理するのではない、民間が管理する通貨へチェンジする流れは止められない。
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