だれもかも、武器をとりにいきました。けれども、どうしようもありません。怪物は刀のとどかないところ | 大雨洪水警報

大雨洪水警報

ブログの説明を入力します。

だれもかも、武器をとりにいきました。けれども、どうしようもありません。怪物は刀のとどかないところにいるのです。「うて、うて!」と弓矢隊の隊長が叫び、いく人かが矢を射かけました。けれども矢は、海蛇のからだから鉄板のようにはじきかえされました。それからほんの一しゅんかん、おそろしい思いで人々はじっとこおりつき、海蛇の目と口を見あげながら、どこへおそいかかってくるだろうと考えていました。ところが、おそってまいりません。マストの帆げたとならんで、船の真横から首をのばしました。その顔が、マストの見張り大の横に来ました。それでもなお首をのばしやまずに、むこうがわの右舷の波よけ手すりごしに顔を出しました。それからさらに首を下にのばしはじめ――人々のいる甲板へではなくて、海のなかへのばしたものですから、船全体が、海蛇の弓なりのからだの下になったのです。それとほとんど同時に、弓なりの形がぐんと小さくなりました。右舷にさがった、海蛇が、朝びらき丸の船腹にすれすれになっていたのです。ユースチスは(雨やチェスのせいであともどりはしましたが、それまでは何かみんなのために働こうといっしんにつとめていました)、この時、生まれてはじめて、めざましいいさおしをたてました。ユースチスは、カスピアンがかしてくれた剣をつけていました。海蛇のからだが、右舷すれすれになるやいなや、波よけの上におどりあがって、全力をふるって、そのからだに切りつけたのです。おかげで、カスピアンが二番めに大事にしていた剣をこなごなにしてしまうめにしかならなかったことは、ほんとうです。けれども、生まれてはじめてそれをやってのけたのは、りっぱでした。shala.la/